...二つや三つなら未だしもの事...
石川啄木 「菊池君」
...『未だし』と云へば...
大町桂月 「白河の七日」
...心境未だし、デッサン不正確なり、甘し、ひとり合点なり、文章粗雑、きめ荒し、生活無し、不潔なり、不遜(ふそん)なり、教養なし、思想不鮮明なり、俗の野心つよし、にせものなり、誇張多し、精神軽佻(けいちょう)浮薄なり、自己陶酔に過ぎず、衒気(げんき)、おっちょこちょい、気障(きざ)なり、ほら吹きなり、のほほんなりと少し作品を濶達に書きかけると、たちまち散々、寄ってたかってもみくちゃにしてしまって、そんならどうしたらいいのですと必死にたずねてみても、一言の指図もしてくれず、それこそ、縋(すが)るを蹴とばし張りとばし意気揚々と引き上げて、やっぱりあいつは馬鹿じゃ等と先輩同志で酒席の笑い話の種にしている様子なのですから、ひどいものです...
太宰治 「風の便り」
...そは未だしと乙は曰ひ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...また未だしなかったようにも考えられる...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...それを真の完成品と称することは未だしである...
藤島武二 「画室の言葉」
...「新婚」は未だしも...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...白(ブランク)ならば未だしも救はれる...
牧野信一 「明るく・暗く」
...未だしもちつとは辛棒も出来るんですがね...
牧野信一 「淡雪」
...――随分と思ひ切つた悪計なども現れて「質屋へ用達中」とか「流連中(いつづけちう)」とかは未だしもであつたが...
牧野信一 「女に臆病な男」
...未だしもだけれど...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...――牧野を槙野と書いたのは未だしもで...
牧野信一 「月あかり」
...それよりは未だしもこの拷問に堪へる方が甲斐があるといふ風な怪しからぬ我慢強さが...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...吾家の部屋で朗らかな彼等の音頭を聞いてゐる方が未だしも救かる気がして...
牧野信一 「毒気」
...馬鹿なら馬鹿で未だしも仕末が好いが...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...未だしっかりとおさへつけてゐるのであつた...
牧野信一 「蘭丸の絵」
...急々一書を裁し候(そうろう)昨夜は数々の御厚遇大謝大謝然(しか)るに今朝承及候(うけたまわりそうら)えばかの舞妓春どの夜前小石川南海寺にて変死を遂げ候趣き驚き入り候右御伝聞未だしきやと存じ候えばお知らせ申候……...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...桑の匂ひは未だしもだが...
横瀬夜雨 「花守」
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