...ああ紅木瓜になった...
泉鏡花 「遺稿」
...その一つはこれに木瓜(もくかう)の青貝(あをがひ)螺鈿(らでん)の卓(しよく)が添はつてゐた事で...
薄田泣菫 「茶話」
...天龍川を前に向ふ岸へは日がさしてうそ寒い二三軒・屋根に石を、春もまだまだ寒い平岡の神代榎・なんと大きな木の芽ぶかうともしない遠山の雪うららかに晴れきつた・桑の若葉のその中の家と墓と・うらうら残つたのがちるおぢいさんも戦闘帽でハイキング裏門、訪ね来て山羊に鳴かれる高遠・なるほど信濃の月が出てゐる飲んでもうたうても蛙鳴くさくらはすつかり葉桜となりて月夜・旅の月夜のふくろう啼くか水音の月がのぼれば葉桜の花びら・ポストはそこに旅の月夜で五月三日の月蝕・旅の月夜のだんだん虧(カ)げてくるアメの魚(ウヲ)・みすゞかる信濃の水のすがたとも井月の墓前にて・お墓したしくお酒をそゝぐ・お墓撫でさすりつゝ、はるばるまゐりました駒ヶ根をまへにいつもひとりでしたね・供へるものとては、野の木瓜の二枝三枝“井月の墓”伊那町から東へ(高遠への途中)一里余、美篶(ミスズ)村六道原、漬大根の産地、墓域は一畝位、檜の垣、二俣松一本立つ(入口に)、野木瓜、椋鳥?┌ツツジ├ヒノキ苗└散松葉墓碑、(自然石)“降るとまで人には見せて花曇り”(井月にふさはしい)墓石、“塩翁斎柳家井月居士”俗名塩原清助位牌、“塩翁院柳家井月居士”夕日をまともに、明るく清く...
種田山頭火 「旅日記」
...木瓜(ぼけ)の木をやたらにたたきながら...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...草木瓜(くさぼけ)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「木瓜薊、旅して見たく野はなりぬ」忙(せわ)しくなる前に、此花の季節(きせつ)を、御岳詣(みたけまいり)、三峰かけて榛名詣(はるなまいり)、汽車と草鞋(わらじ)で遊んで来る講中の者も少くない...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ボン・コアン屋(上等木瓜屋)という看板で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...木瓜(ぼけ)の小株が茂っている...
夏目漱石 「草枕」
...木瓜(ぼけ)は面白い花である...
夏目漱石 「草枕」
...葉のついた木瓜(ぼけ)を切って...
夏目漱石 「草枕」
...寝(ね)るや否や眼についた木瓜は二十年来の旧知己である...
夏目漱石 「草枕」
...「まだ木瓜の中に御用があるんですか」「もう無いんです...
夏目漱石 「草枕」
...それから以後は必ずあの木瓜(もっこう)の紋の付いた幕を張る事になってるんだそうです」幕の上下は紫地(むらさきじ)に金(きん)の唐草(からくさ)の模様を置いた縁(ふち)で包んであった...
夏目漱石 「行人」
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正岡子規 「俳人蕪村」
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横瀬夜雨 「筑波ねのほとり」
...〔無題〕ちび筆に線を引きて半紙に木瓜の枝を写生し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...木瓜の花が紅に燃える...
吉江喬松 「山岳美觀」
...木瓜(ぼけ)の花みたいに真っ赤な顔はしているが...
吉川英治 「三国志」
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