...とある木深い山の上の寺で...
石川啄木 「郁雨に與ふ」
...わざと木深い森の中に隠れて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...庭を造るにも我等が木深い植え込みを設ければ...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...木深い象谷(きさだに)の奥から象の小川がちょろちょろと微(かす)かなせせらぎになって...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...右へ折れる方は木深い杉林(すぎばやし)の中に...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...木深い庭園の噴水の側に薔薇の咲き乱れたパアゴラがある...
寺田寅彦 「ある幻想曲の序」
...木深い丘の向こうに出ると...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...樟(くす)の造林からる積りで道を聞いて行つた杉の木深い澤を出拔けたら土橋へは出ないで河の岸へ降りて仕舞つた...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...もくもくと木深い山の傾斜を浮き出させるが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...木深い山の奧にいまだに奇蹟的にその儘埋まつたきりでゐるかも知れない死んだ古代人のひとり取り殘された淋しさうな姿などが...
堀辰雄 「黒髮山」
...南独逸の木深い谷を背景にして...
堀辰雄 「晩夏」
......
三好達治 「故郷の花」
...成程いかにも木深い山がツイ眼の前に聳えて居る...
若山牧水 「熊野奈智山」
...日が闌(た)けて木深い溪が日の光に煙つた樣に見ゆる時何處より起つて來るのだか...
若山牧水 「樹木とその葉」
...と我等の歩いている渓向うに大らかに峰を張って朝日を浴びた木深い山を指さしながら...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...そのあたりから御料林だといふことで墨色をした木深い峰となつてゐる...
若山牧水 「村住居の秋」
...木深いためではなく...
若山牧水 「村住居の秋」
...木深い溪が日の光に煙つた樣に見ゆる時...
若山牧水 「山寺」
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