...一木内相が人間に性慾があるのを発見したのは...
薄田泣菫 「茶話」
...油井伯爵を首領に戴(いただ)いた野党の中の智嚢(ちのう)と云われた木内種盛(きうちたねもり)は...
田中貢太郎 「雨夜草紙」
...「僕は、今日、寺へ往く路(みち)で、そら、あの病院の前を通って、木内種盛(きうちたねもり)君のことを思ったよ、木内君の死は、ありゃどうしても、ただの病死じゃないね、その当時噂のあったように……」山田は婢に肴(さかな)の註文をしていた...
田中貢太郎 「雨夜続志」
...「木内先生でございますか」「ああ、木内だ、君とは一昨年、君が油井伯の遺稿を編纂(へんさん)している時、逢(あ)ったことがあるね、吾輩はあの時、青木寛の一家に復讐した話をして、もうこれから永遠の安静に入ると云ったが、今日は君達はじめ、当年の政友から追悼を受けたので懐かしくなって来た、やって来たついでに、また君に逢いたくなったからね」山田はいずまいを正してお辞儀をした...
田中貢太郎 「雨夜続志」
...義民木内宗五郎で有名な甚兵衛の渡場(わたし)のある処は...
田中貢太郎 「位牌田」
...木内先生はむつ達がドタンバタンと開けひろげて入る臭い便所にも入って行きました...
林芙美子 「クララ」
...また、木内先生は、むつ達と一緒に晝御飯を食べるのでしたけれども、むつ達と同じように梅干がたびたびついているのです...
林芙美子 「クララ」
...そうだろう木内さん」親方とか木内さんとか呼ばれるたびに...
山本周五郎 「へちまの木」
...このほうはできるだろうね」木内桜谷はなにか書くような手まねをした...
山本周五郎 「へちまの木」
...手伝おうか」「むりだな」木内は弁当の包みを開きながら云った...
山本周五郎 「へちまの木」
...みんなお互いに化かしあっているようなもんだぜ」木内桜谷はそう云ってへらへらと笑った...
山本周五郎 「へちまの木」
...「かなっけのことは心配するなって云ってくれ」「悪いしゃれだ」とまた木内が云った...
山本周五郎 「へちまの木」
...木内桜谷にむしゃぶりつこうとした...
山本周五郎 「へちまの木」
...木内の肩を掴んで文華から引き剥(は)がした...
山本周五郎 「へちまの木」
...「飲もうや木内さん」と彼は大きな声で云った、「こんな汚れた銭なんか持ってるのも恥ずかしい、みんな飲んじまおうぜ」「そうだ、みんな飲んじまおう」あまり元気な調子ではなく、木内も云った、「今日は川向うへゆこうぜ」八「どういう気持だかわからねえ」「わからねえことはねえさ」と木内が云った、「おめえに惚(ほ)れてるからよ」「いやなことを云いなさんな」「そうでなくって、着物を拵(こしら)えてくれたり、小遣いを貢いだりする道理があるかい」「だって相手は七つもとし上だぜ」「もったいないことを云うなよ」木内は湯呑茶碗の酒を啜った、「あれだけの縹緻(きりょう)よしは千人に一人とはいねえぜ、それに、いろ恋にとしなんか問題じゃあねえさ」「あら、羨(うらや)ましいような話じゃないの」と酒を持って来た女が云った、「もっと詳しく聞かせてよ」「よけいな口出しをするな」と云って房二郎は女の顔を見、狭い部屋の中を見まわした、「ここはいったいどこだ」「そらっつかいね」女は房二郎の肩を叩いた、「ちゃんと知ってるくせに、はいお酌」「門前仲町だよ」と木内が云って、女に手を振った、「酌はいいから二人にしてくれ」「なによう、このしと」女は木内にかじりついた、「いまあちしをくどいたばかりじゃないの」「うるせえ、おれにゃあちゃんと女房がいるんだ」「おかみさんを持ってるのはあんた一人じゃないよ、なにさ」女は木内をもっと強く抱き緊めた、「かみさんも持たないような男は、いっしょに寝たって面白みはありゃあしない、ねえ、あっちへゆこうよ」「おれは帰るぜ」と房二郎が云った、「なんだか悲しくなってきちゃった」「出よう」と木内が云った、「勘定をしてくれ」「勘定はこっちだ」と房二郎が云った...
山本周五郎 「へちまの木」
...木内さんのうちはもうすぐそこだぜ」木内桜谷は道傍(みちばた)の古材木に腰を掛け...
山本周五郎 「へちまの木」
...彼は木内を抱えるようにしてあるき...
山本周五郎 「へちまの木」
...「あれも人間の生活なんだな」うしろから呼びかける木内の声をうち消すように...
山本周五郎 「へちまの木」
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