...僕は未だに耳木兎(みみづく)のやうに...
芥川龍之介 「僻見」
...赤い木兎と赤い達磨と軽焼とは唯一無二の神剤であった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...軽焼の袋もこれに因(ちな)んで木兎や達磨の紅摺であったが...
内田魯庵 「淡島椿岳」
......
野口雨情 「都会と田園」
...木兎(みみづく)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...木兎の家の窓から朧月を透して見物したことや...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...木兎は岡の真向きの籠の中でまん丸い眼玉を空しく光らせてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...木兎ならば木兎、人間ならば人間と斯うはつきりとした対照を眼の前に据えて、視詰めては土に盛り線に彫みして着々として吾ながらの感興や情熱を表現してをられる岡などの落着き払つた仕事の、がつちりとした張合ひが羨望された...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...木兎はいつ見てもきちんと止り木につかまつて正面を向いてゐるだけだつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...木兎の眼が傍らにひかつてゐるのを闇の中に発見して...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...急いで木兎の箱に風呂敷をかぶせ...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...」鬼塚村へ持つて行つた木彫の「木兎」を鶴井と倉は注文先には届けないで...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...徳利の包みのやうなものは大丈夫らしかつたかね?」などゝ「木兎」の破損を気づかつたりした...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...いつまででも凝然(ぢつ)としてゐるばかりの私は木兎であつた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...木兎を追ひまくつたが...
牧野信一 「ブロンズまで」
...ずつと/\以前にKといふ男が彫刻家の制作である木兎の銅像を携へて売約の使ひに出たまゝ遁走をしてしまつた時のことを思ひ出してゐた...
牧野信一 「ブロンズまで」
...「木兎が相変らず此方を眺めてゐる...
牧野信一 「満里子のこと」
...さうかと思ふと失敗を悟つた学生が試験場を飛び出して来たかのやうに頭髪を掻きりながら――或ひは蟹の呟きを思はせる低い自嘲の溜息を衝きながら――木兎の眼に微かな涙を湛えながら――...
牧野信一 「籔のほとり」
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