...スキーがやっと並ぶようなしかも急な木の間を突進するのだ...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...あのきれいな川鰕(かわえび)のとれる小さい流れの上の二本の木の間に蛛網を掛けてゐるのを見たのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...時々木の間から平ヶ岳の雄大な絶頂が右の方に露われる...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...半分許り落葉した木の間には汚ない山の地膚を見せてをる...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...木の間を透けて噴水が微かに銀色に光つてゐるのと...
徳田秋聲 「歯痛」
...木の間にさえずる小鳥の歌やどこかの家からもれる子供の声などに耳を傾け...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...古い詩人らが一陽来復と呼んだ黎明(れいめい)の大交響曲の最初の譜を樹木の間に奏していた――そのある日の午後...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...材木の間をつつきに歩いた...
直木三十五 「大阪を歩く」
...茂つた樹木の間に人家の屋根の散見する行手の眺望が...
永井荷風 「来訪者」
...月照らす梅の木の間に佇めば我が衣手の上に影あり初春の朧月夜をなつかしみ折らむとしたる道の邊の梅鳥玉の闇に梅が香聞え來て躬恒が歌に似たる春の夜砥部燒の乳の色なす花瓶に梅と椿と共に活けたりなどいふ歌を一人もとつてない...
長塚節 「十日間」
...それは大きな材木の間に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのむこうに按配よく配置されたつくりものの灌木の間に...
久生十蘭 「泡沫の記」
...行手の木の間がくれにコンクリート建の西洋館...
久生十蘭 「魔都」
...六田越えて花にいそぐや一の坂芳野山第一本の桜かな花見えて足踏み鳴らす上り口花の山蔵王権現(ざおうごんげん)鎮(しず)まりぬ指すや花の木の間の如意輪寺(にょいりんじ)案内者の楠(くすのき)語る花見かな案内者も吾等も濡れて花の雨南朝の恨を残す桜かな千本が一時に落花する夜あらん西行庵(さいぎょうあん)花も桜もなかりけり(五月十四日)九○余が病気保養のために須磨(すま)に居る時...
正岡子規 「病牀六尺」
...俄(にわ)かに林の木の間から...
宮沢賢治 「かしわばやしの夜」
...その中(うち)に南の方の立木の間から...
夢野久作 「白髪小僧」
...材木の間にかくれ左官小屋の裏へ走り...
吉川英治 「宮本武蔵」
...というのは、相当に急な崖を下(くだ)りはじめると、木の間もれに、向うからも崖が迫っているのが見え、そして、その下の方に光った水が見えはじめたからである...
蘭郁二郎 「植物人間」
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