...森は木の芽を煙らせながら...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...木の芽の煙(けぶ)った雑木林(ぞうきばやし)があった...
芥川龍之介 「百合」
...それは木の芽とわずかな水で生きている...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...三月にはまだその自然の花々は固い木の芽の中にねむっているのだが...
高村光太郎 「山の春」
...・ふるさとは遠くして木の芽三月廿二日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...酒もにがくなつた病んで寝てゐる家鴨さわがしい宿・忘れようとするその顔の泣いてゐる(夢)・どうでもよい木の芽を分けのぼる・さみしさ...
種田山頭火 「行乞記」
...春空雲なくなまけものとしなまけてゐる・春蝉もなきはじめ何でもない山で・裏からすぐ山へ木の芽草の芽・けふも摘む蕗がなんぼでも・みんな芽ぶいてゐる三日月・三日月さんには雲かげもなくて四月廿九日天長節日和とでもいはうか...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「草木塔」
...・どこかに月あかりの木の芽匂ふなり・旅もなぐさまないこゝろ持ちあるく五月三日丘の家はしづかである...
種田山頭火 「旅日記」
...春もまだまだ寒い平岡の神代榎・なんと大きな木の芽ぶかうともしない遠山の雪うららかに晴れきつた・桑の若葉のその中の家と墓と・うらうら残つたのがちるおぢいさんも戦闘帽でハイキング裏門...
種田山頭火 「旅日記」
...シヤガが咲きだした、仏前に供へる、木の芽、草の芽...
種田山頭火 「道中記」
...それがことしの草木の芽立つと同時に強い力で復活した...
寺田寅彦 「自画像」
...日の光にかがやく木の芽のうつくしさ雨に打れし墓石の古びたるに似もやらねば...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...花鳥花鳥(はなとり)の日はきたり日はめぐりゆき都に木の芽ついばめり...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...いつの間にか何かの木の芽が実生から二三尺になっていて面白うございました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...木の芽(め)田楽(でんがく)...
吉川英治 「江戸三国志」
...二月末の木の芽時を楽しむように...
吉川英治 「親鸞」
...既に早やうす茜色に氣色ばんだ木の芽が丸みを見せて萌えかけてゐるのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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