...私はその苺の木の実を毎日食うのだ...
ギィ・ドゥ・モオパッサン Guy de Maupassant 秋田滋訳 「狂人日記」
...この夜もやはり署長のおる座敷へバラバラと二回ほど木の実を降らしたが...
井上円了 「おばけの正体」
...――見る影もないこんな木の実や草の実にまで...
薄田泣菫 「独楽園」
...肉食をさけて米や粗末なパンや木の実を好んで食べ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...林檎は木の実ですか? とおたづねくださいまし...
竹久夢二 「秘密」
...・あてもない空からころげてきた木の実此句には多少の自信がある...
種田山頭火 「行乞記」
...わかれて春の夜の長い橋で木の実すつかり小鳥に食べられて木の芽・こんやはこゝで涸れてゐる水三月廿三日おくれて九時ちかくなつて宇品着...
種田山頭火 「其中日記」
...・いかにぺんぺん草のひよろながく実をむすんだ・藪かげ藪蘭のひらいてはしぼみみんな去んでしまへば赤い月改作二句乞ひあるく道がつゞいて春めいてきた藪かげほつと藪蘭の咲いてゐた木の実ころころつながれてゐる犬へまんぢゆう...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「草木塔」
...木の実をくつた鳥の糞があちらこちらに落ちてゐる...
中勘助 「銀の匙」
...日本唯一の聖地浦上が犠牲の祭壇に屠られ燃やさるべき潔き羔(こひつじ)として選ばれたのではないでしょうか?智恵の木の実を盗んだアダムの罪と...
永井隆 「長崎の鐘」
...「かたな? かたなみたいなものを」木の実だと思つて拾つたのがやつぱりからにすぎなかつた時の様に新次は感じた...
新美南吉 「鍛冶屋の子」
...薄い褪紅色(たいこうしょく)の木の実のようなものが山盛りになっている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...啄木流に三行に書くと森に降る夕月の色我が踏みて木の実の割るゝ味気なき音はつきりものの音が響いて来て一寸面白い...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...木の実の黄色、葉の暗緑、光りの斑点などを此処から遥かに見晴すと丘のあたりは恰度派手な絨氈だ...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...木の実というのである...
正岡子規 「くだもの」
...真赤な青木の実がとんでもないところに転がっている...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...木の実(み)にあらぬ干飯(ほしいい)の弁当を喰いながら...
吉川英治 「新書太閤記」
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