...後から糊で貼り着けたらしい小さな小豆を砕いた様な木の実だが...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...木の実の類の腐蝕したものを泥とともに押し流して...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...乳だけの方が木の実を食べるのによくうつるやうだね...
鈴木三重吉 「桑の実」
...そのほかの名もない禁断の野の木の実で眩惑され誘惑される...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...山には木の実、草の実が一ぱいあって、それを気ままにとって食べてのんきに暮すのが山居の楽しみと心得ていましたが、聞いて極楽、見て地獄とはこの事、この辺の山野にはいずれも歴とした持主がありまして、ことしの秋に私がうっかり松茸(まつたけ)を二、三本取って、山の番人からもう少しで殴り殺されるようなひどい目に遭いました...
太宰治 「新釈諸国噺」
...彼は木の実を喫(く)い草の実を拾ってその麓を巡礼した...
田中貢太郎 「仙術修業」
...まだ木の実の味はひを解してゐ(マヽ)らない...
種田山頭火 「其中日記」
...十六伯母さんは「木の実どち」をして遊ばせるといつて白玉椿の実を落してくれたが眼が悪いのと力がないのとで狙ひをはづして枝葉ばかり叩き落した...
中勘助 「銀の匙」
...木の実や苔や白樺で...
新美南吉 「苔人形」
...)赤い木の実山の鳥 小鳥山の鳥の 小鳥は赤い赤い 木の実をたづねてあるく藪の上にとまつては藪の中を見たり藪の中へはいつては藪の蔭を見たり藪から出ては里の方を見たり赤い赤い 木の実をたづねてあるく...
野口雨情 「未刊童謡」
...啄木流に三行に書くと森に降る夕月の色我が踏みて木の実の割るゝ味気なき音はつきりものの音が響いて来て一寸面白い...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...赤い木の実で染めて...
夢野久作 「猿小僧」
...木の実と鮨屋(すしや)とにて...
三木竹二 「いがみの権太」
...いつも三人が食べ切れない程木の実を千切ることが出来ました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...梅もどきや青木の実は口から出したり入れたり餌の壺の中に匿したり籠の隅の方に匿したりする...
室生犀星 「人真似鳥」
...卯木の実家方(さとかた)をたどるなれば...
吉川英治 「私本太平記」
...禁断の木の実や花が...
吉川英治 「私本太平記」
...そしてこの宿に入った時玄関口に積まれてあった何やらの木の実がこの湯槽の側までも一杯に乾しひろげてあった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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