...朧(おぼろ)げながらも推測がついた...
芥川龍之介 「南京の基督」
...人の氣(け)絶(た)えし渡殿(わたどの)の影ほのぐらき朧月(ろうげつ)よ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...酔眼朦朧たる瞳をちよつと私の方へ向けながら...
谷崎潤一郎 「泉先生と私」
...佐助は我が眼前朦朧(もうろう)として物の形の次第(しだい)に見え分かずなり行きし時...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...病雁の夜寒に落ちて旅寝かな 芭蕉僅かの花が散りければ梅は総身に芽ぐみぬ 井泉水わが足跡人生ひてわれにつゞく朧 地橙孫陽の前に鳥ないて安らかな一日 鳳車これらの句を読んだ時...
種田山頭火 「俳句に於ける象徴的表現」
...朧(おぼろ)げながら頭脳(あたま)に考えられた...
徳田秋声 「足迹」
...そして月が朧ろに暗い空に懸っていた...
豊島与志雄 「囚われ」
...縁頭(ふちがしら)はこれ朧銀(ろうぎん)で松に鷹の高彫(たかぼり)...
中里介山 「大菩薩峠」
...その駕籠屋が朦朧(もうろう)にひとしいもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...朧(おぼろ)の奥に星を埋(うず)めて...
夏目漱石 「虞美人草」
...けれども意識は朦朧(もうろう)として...
夏目漱石 「行人」
...朧(おぼ)ろ氣ながら見てしまつた女隱居は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...朧(おぼ)ろ気(げ)乍ら知らないではありません...
野村胡堂 「流行作家の死」
...アアミンガアドもそれらのものを朧(おぼろ)に見る気がしました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...初め朧(おぼろ)のが末(すえ)明亮(はっきり)となって...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...ただその朧ろげな二つの気持を「空漠」とした白さが濡紙のやうにフワリと覆つて...
牧野信一 「失題」
...木兎の家の窓から朧月を透して見物したことや...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...その大山の影も見えない夜霞(よがすみ)が館(たち)の灯から物音までも朧(おぼろ)にしていて...
吉川英治 「私本太平記」
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