...朝寒夜寒のきびしさに...
薄田泣菫 「独楽園」
...仲秋や月明(あきら)かに人老いし昭和二年九月はじまらん踊の場(にわ)の人ゆきき昭和二年十月朝寒(あささむ)の老を追ひぬく朝な/\昭和二年十月二十三日 発行所例会...
高浜虚子 「五百句」
...・墓がならんでそこまで波がおしよせていざり火ちら/\して旅はやるせないやるせない夢のうちから鐘が鳴りだした朽ちてまいにち綻びる旅の法衣だ眼がさめたら小さくなつて寝ころんでゐた覗いてる豚の顔にも秋風・けふのべんたうも草のうへにて波の音しぐれて暗し食べてゐるおべんたうもしぐれて朝寒夜寒物みななつかししぐるゝやみんな濡れてゐるさんざしぐれの山越えてまた山ずゐぶん降つた...
種田山頭火 「行乞記」
...・最後の飯の一粒まで今日が終つた・朝寒の針が折れた入庵一週(マヽ)年ちかし・蓼の花もう一年たつたぞな追加備忘・道がなくなり落葉しようとしてゐる・水に水草がびつしりと旅・たゞあるく落葉ちりしいてゐるみち九月十一日―十月一日『行乞記』...
種田山頭火 「行乞記」
...・秋風の腹たててゐるかまきりで(再録)・かまきりよいつ秋のいろがはりした・糸瓜ゆつたりと朝のしづくしてゐる・重荷を負うて盲目である・家いつぱいの朝日がうらの藪までも・風に眼ざめてよりそふ犬の表情で・這うてきたのはこうろぎでぢつとしてゐる九月廿三日朝寒夜寒...
種田山頭火 「其中日記」
...朝寒、米磨ぐ水がやゝつめたく、汲みあげる水がほのかにあたゝかい...
種田山頭火 「其中日記」
...朝寒、遠く蜩のうた、身辺整理、読書...
種田山頭火 「其中日記」
...朝寒、火鉢がこひしくなつた、朝月もつめたさうだ、まともに朝日があたたかく、百舌鳥の声が澄んできた...
種田山頭火 「其中日記」
...孰(どちら)にしても彼はこの春朝寒の頃の感冒から...
徳田秋聲 「浪の音」
...朝寒(あささむ)の或(ある)日...
永井荷風 「狐」
...朝寒気甚し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...朝寒(あささむ)や生きたる骨を動かさず十九余はこの心持をどう形容すべきかに迷う...
夏目漱石 「思い出す事など」
...朝寒(あささむ)の刺戟(しげき)と共に...
夏目漱石 「明暗」
...「生きちゃアおりません」霜の朝寒い朝で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...朝寒(あささむ)...
正岡子規 「俳諧大要」
...朝寒むが肌にしみ渡る...
吉江喬松 「山岳美觀」
...朝寒の東京驛前の廣場に立つてゐると...
吉川英治 「折々の記」
...なんとなく朝寒(あさざむ)のいじらしい...
吉川英治 「随筆 新平家」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??