...朝まだきから降り初めた秋雨が...
石川啄木 「葬列」
...朝まだきから降り初めた秋雨が...
石川啄木 「葬列」
...廿一(にじゅういち)日朝まだきに起き出でて見るに有明の月東の空に残りて雨はなごりなく晴れたり...
伊藤左千夫 「滝見の旅」
...寂しくも唯ひとり、唯ひとり、きのままに、棺のうち、唯ひとり、唯ひとり、のこしきて、朝まだき、はなやかに、はなやかに、うちつれて、歌ふやう「時くれば、時くれば、ゆくみちぞ、このをとめ、みまかりぬ、みまかりぬ、戀やみに...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...夜が明けはなれたばかりの朝まだきであることがわかりました...
海野十三 「怪塔王」
...十二月も末に近い朝まだきの...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...第四篇 破裂一 フェラポント長老朝まだき...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...朝まだきより降りて歇まず...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...人通りのほとんどないほどの朝まだきに番町を出て...
中里介山 「大菩薩峠」
...朝まだき、それでも外へ出て見ると、善光寺平野が一時に開けて、天地が明るく、朝風が身にしみて、急に風物が展開したように思われる...
中里介山 「大菩薩峠」
...さて、その朝まだき、人目を厭(いと)うて、木萱(きかや)に心を置いて、この庫裡を忍んで立ち出でたが、木津の新在家(しんざいけ)へ来て、はじめて気がついたことは、昨晩、月心院の庫裡で、後生大事の財布を柱にかけてかけっぱなし、忘れてはならないはずのものを忘れて出て来た、はっ! と顔の色の変った時はもう遅い、それを取戻すべく立戻れば身が危ない、このまま行けば身が立たない...
中里介山 「大菩薩峠」
...三十九翌日(よくじつ)は昨日(きのう)と打って変って美しい空を朝まだきから仰ぐ事を得た...
夏目漱石 「行人」
...さるほどにこのほどの朝まだき四十に近かるべき年輩(としごろ)の男...
樋口一葉 「うつせみ」
...いまや明けそめようとする朝まだき...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...朝まだきに...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...元旦の朝まだきである...
吉川英治 「三国志」
...物見だかい京の庶民は、その朝まだき、六波羅兵に取り囲まれて行く日野俊基の乗物を、辻々で不安そうに見送っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...五染屋の小母とも計り、万兵衛へも約束をつがえたとみえ、次の日朝まだき...
吉川英治 「宮本武蔵」
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