...夜が明けはなれたばかりの朝まだきであることがわかりました...
海野十三 「怪塔王」
...多くのわたしの町の人――朝まだきにボストンにむかう農夫や仕事に出かける木伐(きこ)り――はわたしがこの仕事から帰ってくるのに出会った...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...第四篇 破裂一 フェラポント長老朝まだき...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...朝まだきより雪降る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...人通りのほとんどないほどの朝まだきに番町を出て...
中里介山 「大菩薩峠」
...朝まだきの活劇を一幕残して...
中里介山 「大菩薩峠」
...飛騨の高山から朝まだきに出発した二人連れの労働者がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...さて、その朝まだき、人目を厭(いと)うて、木萱(きかや)に心を置いて、この庫裡を忍んで立ち出でたが、木津の新在家(しんざいけ)へ来て、はじめて気がついたことは、昨晩、月心院の庫裡で、後生大事の財布を柱にかけてかけっぱなし、忘れてはならないはずのものを忘れて出て来た、はっ! と顔の色の変った時はもう遅い、それを取戻すべく立戻れば身が危ない、このまま行けば身が立たない...
中里介山 「大菩薩峠」
...戸ははやく立てさせて時雨れ來るけはひ遙かなり焚き棄てし落葉の灰はかたまりぬべし八日松の葉を繩に括りて賣りありく聲さへ寒く雨はふりいでぬ朝まだき車ながらにぬれて行く菜は皆白き莖さむく見ゆ四大正三年六月八日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...さるほどにこのほどの朝まだき四十に近かるべき年輩(としごろ)の男...
樋口一葉 「うつせみ」
...朝まだきから、塩や魚を積んだ荷車の列が蜿蜒として際限もなく続いてゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...この山の泉にありと朝まだき我を見知れる風の驚くこの風は 紫の我よの恋の朝ぼらけ諸手の上の春風かをる の春風であり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...病牀にあつて、私はかういふ旅するゲエテの姿を描き出してゐた……重くろしき雲の上に輕ろやかに翼をさめて獲物ねらふ禿鷹のごとわが歌を翔りやらん旅人はさう氣負ひながら、冬の朝まだき、獵に出る友人らと袂を別つて、獨り、北に向いてハルツを目ざしてゆく...
堀辰雄 「ゲエテの「冬のハルツに旅す」」
...――教会堂の天気鶏の翼が未だ暁の露に沾うてゐる朝まだきに起き出でて...
牧野信一 「変装綺譚」
...この朝まだきに町の中を通っているのを見つける者があったら...
吉川英治 「親鸞」
...狩野川(かのがわ)も霧の朝まだきからである...
吉川英治 「源頼朝」
...五染屋の小母とも計り、万兵衛へも約束をつがえたとみえ、次の日朝まだき...
吉川英治 「宮本武蔵」
...朝まだきから徳利をとり寄せた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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