...あらゆる動機のはつきりしないために(あらゆる動機のはつきりすることは悲劇中の人物にも望めないかも知れない...
芥川龍之介 「機関車を見ながら」
...少くとも四五年前のような……あれほど農産物の値上りは望めないまでも...
犬田卯 「荒蕪地」
...かねさへあらば自分が引かしてやるのにと云ふ望めない望みにも裏切られて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...衷心から釈(と)け合うことは望めないにしても...
徳田秋声 「仮装人物」
...必要な啓蒙問題の科学的な解決が望めないことは確かだ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...そうして健康の時にはとても望めない長閑(のど)かな春がその間から湧(わ)いて出る...
夏目漱石 「思い出す事など」
...観察者である以上は相手と同化する事はほとんど望めない...
夏目漱石 「中味と形式」
...はじめから戦勝はまったく望めない無謀の海戦であった...
蜷川新 「天皇」
...致命傷を作った兇器の出現が望めない時...
橋本五郎 「撞球室の七人」
...「この手続きでは発展はほんのまれにしか望めないんです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...誰にでもは望めない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...季節はづれの天候を短い歌の中でこなすことは極めて難しいわざで先づ成功は望めない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...あなた以上に賢明なやり手は望めないし...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「盗まれた手紙」
...ワインなどこれ以上望めないほどだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...しかしどうせそのようなことはさしあたり望めないような気がする...
三好十郎 「絵画について」
...殆ど中央の印刷能力を以てしても是れ以上を望めないと云ふ程度まで有らゆる機關を利用し...
村越三千男 「大植物圖鑑」
...稲束では到底安全に運ぶことは望めない...
柳田国男 「木綿以前の事」
...もちろんそれほどの持続的収穫は望めない...
山本周五郎 「新潮記」
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