...といふよりは寧(むし)ろ自分の方が生徒以上に希望して開いたので...
石川啄木 「雲は天才である」
...もしも日本政府にて余(よ)を雇入(やといい)れ彼(か)の若年寄(わかどしより)の屋敷(やしき)のごとき邸宅(ていたく)に居るを得せしめなば別(べつ)に金(かね)は望まず...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...このことについては失望の嘆声を発するのほか何らの考(かんがえ)も浮び申さず...
伊藤左千夫 「師を失いたる吾々」
...自分の健康には殆んど何んの望みも持つてはゐないやうに...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...彼等の失望したことは...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...わたしたちは神に希望をかけています...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...家賃を働き出すくらいの望みをもってしなければならぬ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...いかなる前生の悪業(あくごう)ありてかかる憂目(うきめ)に遭うかと生きる望も消えて...
太宰治 「新釈諸国噺」
...もうはや喧嘩の望みは絶えてしまった...
太宰治 「ロマネスク」
...持参の望遠鏡で正面入口の混雑を検査している...
谷譲次 「踊る地平線」
...もはや希望が無くなった所には...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...すぐ待望の湯滝に打たれる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...『蝦(えび)の舞踏(ぶたう)のモ一(ひと)つの歩調(ほてう)をやつて見(み)やうか?』とグリフォンは續(つゞ)けて、『それとも海龜(うみがめ)にも一(ひと)つ歌(うた)を謳(うた)つて貰(もら)はうか?』『然(さ)うね、歌(うた)の方(はう)が好(い)いわ、萬望(どうぞ)、海龜(うみがめ)の』と愛(あい)ちやんが熱心(ねつしん)に答(こた)へました、グリフォンは頗(すこぶ)る不滿(ふまん)さうに、『フム!面白(おもしろ)くでもない!「海龜(うみがめ)肉汁(スープ)」なんぞ、何(なん)だ老耄奴(おいぼれめ)が?』海龜(うみがめ)は深(ふか)くも長太息(ためいき)を吐(つ)いて、歔欷(すゝりなき)しながら咽(むせ)ぶやうな聲(こゑ)で、かう歌(うた)ひました、――『見事(みごと)な肉汁(スープ)、澤山(たくさん)で溢(こぼ)れさう、温(あつた)かさうな皿(さら)に!跼(こゞ)まにや吸(す)へぬ?晩(ばん)の肉汁(スープ)、見事(みごと)な肉汁(スープ)!晩(ばん)の肉汁(スープ)、見事(みごと)な肉汁(スープ)!見(み)い――ごとなスウ――ウプ!見(み)い――ごとなスウ――ウプ!ばア――あン――の――スウ――ウプ、見事(みごと)な、見事(みごと)な、肉汁(スープ)!』『見事(みごと)な肉汁(スープ)、魚(さかな)は誰(だれ)の、競技(ゲーム)か、それとも何(なん)の皿(さら)?二錢(せん)でも廉價(やす)い?見事(みごと)な肉汁(スープ)!一錢(せん)で賣(う)りよか?見(み)い――ごとなスウ――ウプ!見(み)い――ごとなスウ――ウプ!ばア――あン――の――スウ――ウプ、見事(みごと)な、見(み)い――ごとな肉汁(スープ)!』『モ一度(いちど)合唱(がつせう)を!』とグリフォンが叫(さけ)びました、海龜(うみがめ)がそれを繰返(くりかへ)さうとした時(とき)に丁度(ちやうど)、『審問(しんもん)始(はじ)め!』の叫(さけ)び聲(ごゑ)が遠方(えんぱう)に聞(きこ)えました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...愛とも憎しみとも名づけられるあの病的な欲望――それは僕だって知っていないだろうか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...六畳の方の小窓からもそれにつづいての景色が一望されます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...人が一個の肉体をその賛意がなくその欲望もないのに愛するのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...……そうした絶望的な予感が二三度頭の中に閃めいて...
夢野久作 「暗黒公使」
...武蔵あるがゆえに、生きもし、希望もし、ひたすら女の道を、女たらんとしながら、柳生の城を離れてからまた、嫁ぐ妙齢(としごろ)もはや過ぎかける片鴛鴦(かたおしどり)の独り身を、旅人の眼に不審(いぶか)られながら、むなしく旅に朽ちんとはして――いったい彼女は、この秋を、どこに武蔵の見た月を見ているのだろうか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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