...朋輩の一人に違いなかった...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...毎日々々年配の朋輩と根がらを打ったり...
伊藤左千夫 「井戸」
...朋輩(ほうばい)の者でもない人にと思って...
岩野泡鳴 「猫八」
...朋輩女郎の話で無ければ『二食(じき)に鹿尾菜(ひじき)』といつたやうな所謂苦界の勤めの悲しい囘想談である...
高濱虚子 「俳諧師」
...朋輩(ほうばい)の僧達は龕(がん)を買(こ)うてその骨を焼き...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...「それを聞かしてください」「私は宋の賈秋壑(こしゅうがく)の侍女でございます、もと臨安の良家に生れた者でございますが、少(ちい)さい時から囲碁が上手で、十五の春、棊童(きどう)ということで、秋壑の邸に召し出されて、秋壑が朝廷からさがって、半閑堂で休息する折に、囲碁の相手になって、愛せられておりました、その時、あなたは、蒼頭職主(げなんがしら)で、いつもお茶を持って奥へまいりましたが、あなたはお若くて美しい方でした、そのあなたを私が想うようになりました、ある晩、暗い所で、あなたをお待ちしていて、綉羅(うすぎぬ)の銭篋(ぜにばこ)を差しあげますと、あなたは私に、瑁(たいまい)の脂盒(べにざら)をくださいました、二人の間は、そうした許し合った仲になりましたが、奥と表の隔てがあって、まだしみじみとお話もしないうちに、朋輩に知られて、秋壑に讒言(ざんげん)せられましたから、私とあなたは、西湖の断橋の下へ沈められました、それでも、あなたは、もう再生して人間になっておりますが、私はまだこうしております」少女は絶え入るように泣いた...
田中貢太郎 「緑衣人伝」
...朋輩共も朋輩共だ...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...深雪が、部屋へ戻って来ると、灯は消していたが、未だ、眠らない、大勢の朋輩達は、低い声で、いつものように、小姓の噂をしたり、役者買いの話をしたりして、忍び笑いをしていた...
直木三十五 「南国太平記」
...朋輩は、じっと、益満を睨んで「名乗りもしねえで、失礼さんでごぜえやすが、こいつと同じ、やくざで、吉と申しやす...
直木三十五 「南国太平記」
...「おやおや」下女は大きな声をして朋輩(ほうばい)の名を呼びながら灯火(あかり)を求めた...
夏目漱石 「行人」
...昔のお静の朋輩(ほうばい)お町...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...仏間には朋輩の死骸のあることも忘れて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...同藩中の朋輩の許嫁(いいなずけ)だったのを横奪(ど)りし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...元の御朋輩衆(ごほうばいしう)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...朋輩(ほうばい)でもあり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...辛辣な花桐の朋輩(ほうばい)らも...
室生犀星 「花桐」
...元来お作どんの貯金ちうのがハシタの一銭まで源次の入れ揚げた金ちう話じゃけんのう!」と親切な朋輩連中からシミジミ意見をされた事が一度や二度ではなかったが...
夢野久作 「斜坑」
...権次のお三人様だ」「御参詣でいらっしゃいますの?」「なにを」「朋輩(ほうばい)がこんな浅ましい姿になっているので...
吉川英治 「江戸三国志」
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