...天理樣の有難味も了解(のみこ)んで了解(のみこ)めぬことが無ささうだ...
石川啄木 「赤痢」
...少しは写生の有難味を知って居るようでもある...
高浜虚子 「俳句への道」
...どんな人柄な高僧が着ていても有難味を感じることはめったにないが...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...しかしこの頃煙草の有難味(ありがたみ)を今更につくづく感じるのは...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...こういう意味で個人作品展覧会というものの有難味が今更のように深く味わわれる...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...人並に生れついたということの有難味が...
中里介山 「大菩薩峠」
...ことに金の有難味を知っている神尾主膳――金を儲(もう)けることの有難味ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...使う方の有難味を知っている神尾主膳にとっては...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんとなしに有難味に打たれるじゃございませんか」自分も慶長小判の一枚を取り上げて...
中里介山 「大菩薩峠」
...お祓いをしてやろうという神主様の好意には随喜渇仰の有難味を感じたと見え...
中里介山 「大菩薩峠」
...どのくらい銭の有り余る旅客の贅沢(ぜいたく)ぶりを見せつけられたか知れなかったのですが――この男は銭の有難味を知りながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...親分の有難味を忘れちゃならねえぞ」「どうして忘れていいものか...
中里介山 「大菩薩峠」
...友をなくして始めて友情の有難味を悟る...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...俺は時計の有難味なんか聽いてやしないよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それ金の有難味ですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...下受開墾の有難味も自然薄かったかも知れぬが...
柳田國男 「名字の話」
...それにしてもまだ甘え切っていた筆者にとっては正直のところ何等の有難味もない地獄教育であった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...有難味も真の値打(ねうち)も……...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索