...浜辺は煮えて賑(にぎや)かに、町は寂しい樹蔭(こかげ)の細道、たらたら坂(ざか)を下りて来た、前途(ゆくて)は石垣から折曲る、しばらくここに窪(くぼ)んだ処、ちょうどその寺の苔蒸(こけむ)した青黒い段の下、小溝(こみぞ)があって、しぼまぬ月草、紺青の空が漏れ透くかと、露もはらはらとこぼれ咲いて、藪(やぶ)は自然の寺の垣...
泉鏡花 「悪獣篇」
...緞子(どんす)、縮緬(ちりめん)、綾(あや)、錦(にしき)、牡丹(ぼたん)、芍薬(しゃくやく)、菊の花、黄金色(こんじき)の董(すみれ)、銀覆輪(ぎんぷくりん)の、月草、露草...
泉鏡花 「海神別荘」
...やり羽子(はご)や油のやうな京言葉東山静に羽子の舞ひ落ちぬ昭和二年十二月柊(ひいらぎ)をさす母によりそひにけり昭和三年二月草間(くさあい)に光りつづける春の水昭和三年四月七日 婦人俳句会...
高浜虚子 「五百句」
...明治三十四年十二月草莽ノ微臣田中正造誠恐誠惶頓首頓首 ※...
田中正造 「直訴状」
...廃坑の月草を摘んで戻る廃坑...
種田山頭火 「行乞記」
...月草は何と日本的のやさしさだらう...
種田山頭火 「行乞記」
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種田山頭火 「行乞記」
...月草がふさはしい...
種田山頭火 「行乞記」
...唐辛苗七本三銭一金十七銭 焼酎壱合五勺一金八銭 石油二合一金五銭 醤油一合一金五銭 塩一金四銭 なでしこ一金九銭 ハガキ六枚・月草を植ゑて一人・鉢の子の米の白さよ・注連を張られて巌も五月・初夏や人は水飲み馬は草喰み二句追加・うごかない水へ咲けるは馬酔木の花で・ゆく春の身のまはりいやな音ばかり五月三十日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...・ゆふべしたしくゆらぎつつ咲く(月草)・おみやげは酒とさかなとそして蝿(樹明君に)・何を求める風の中ゆく・若葉あかるい窓をひらいてほどよい食慾青葉のむかうからうたうてくるは酒屋さん風ふく竹ゆらぐ窓の明暗風の夜の更けてゆく私も虫もぢつとして六月三日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...月草を折つて戻る...
種田山頭火 「其中日記」
...花月草紙を読む、常識読本とでもいはうか...
種田山頭火 「其中日記」
...月草のよろしさ、浅漬のおいしさ、風の涼しさ...
種田山頭火 「其中日記」
...(昭和廿一年十月草)...
永井荷風 「或夜」
...かの『即興詩人』『月草(つきぐさ)』『かげ草(ぐさ)』の如き森先生が著書とまた『最近海外文芸論』の如き上田先生が著述との感化に外ならざればなり...
永井荷風 「書かでもの記」
...一たいに叢は茨や芒や月草や雁来紅や萩のしげみになっているが...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
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室生犀星 「抒情小曲集」
...月草(つきくさ)の葉の上にとまり...
室生犀星 「津の国人」
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