...作家所生の言葉「振(ふる)つてゐる」「高等遊民」「露悪家」「月並み」等の言葉の文壇に行はれるやうになつたのは夏目先生から始つてゐる...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...月並みの喜劇は「芭蕉雑談」の中に子規居士(こじ)も既に指摘してゐる...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...余り明治大正の間に偉い歌よみが出過ぎた為にそれ等の人人の耄碌(まうろく)したり死んでしまつたりした後(のち)の短歌は月並みになつてしまふかも知れぬ...
芥川龍之介 「又一説?」
...月並みな通信文の多い中に...
有島武郎 「或る女」
...月並みだといわんばかりの顔をしている...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...それほどに平凡な月並み...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...切腹の場を辞世の歌をかいた色紙に落ちる一片の桜の花弁で代表させたりするのは多少月並みではあるがともかくも日本人らしい象徴的な取り扱い方で...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...天保より明治子規に至るいわゆる月並み宗匠流の俳諧は最も低級なる川柳よりもさらに常套的(じょうとうてき)であり無風雅であり不真実であり...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...かびのはえた月並みの現象にのみ目を奪われる...
寺田寅彦 「備忘録」
...おそらく今でもどこかの川について地文学者のだれかが月並みに繰り返しつつあるものと全然同様である...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...いかなる作り話も月並みなもので...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...まあそれにしてもひどく月並みなものだ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...そんな月並みを今さら市場へもちだすのは...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...月並みな音楽的修辞法で誇張されてる情緒があり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...たしかに月並みのお代官にはできない働きだと賞(ほ)める者もあるくらい...
中里介山 「大菩薩峠」
...月並みな言葉で飾られた外観には騙されないで...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...この事件を新聞紙月並みの法廷傍聴録として看過しがたきは...
南方熊楠 「十二支考」
...それらは装飾的かつ月並みな性格で...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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