...最後の犠牲……今までとつおいつ捨て兼ねていた最愛のものを最後の犠牲にしてみたら...
有島武郎 「或る女」
...葉子は荒神に最愛のものを生牲(いけにえ)として願いをきいてもらおうとする太古(たいこ)の人のような必死な心になっていた...
有島武郎 「或る女」
...金眸は折しも最愛の...
巌谷小波 「こがね丸」
...それには違いなくても主人なり恩師なりの眼を掠(かす)めてその最愛の夫人の道ならぬ遊戯のオモチャになったYの破廉恥を私は憤らずにはいられなかった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...最愛の絶頂に暇を告げ...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...第三の餌食最愛の雪子さんを失った川手氏の悲歎が...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...最愛の妹に死別して涙も止めあえぬ川手妙子(たえこ)さんの可憐な姿であった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...而して我の最愛の彼...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...最愛の妻と五人の子供の黒い骨が散らばっていた...
永井隆 「長崎の鐘」
...夫の方では最愛の細君の一顰一笑(いっぴんいっしょう)も千金より重い訳ですから...
夏目漱石 「創作家の態度」
...国府老人の最愛の妻――夫人の名前になるではありませんか...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...数年間(すねんかん)苦節を守りし最愛の妻をして...
福田英子 「妾の半生涯」
...最愛の家族を残して出発した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...ともすれば最愛の...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...此最愛の女を僕の此手が殺してしまつたのではないか...
村山槐多 「殺人行者」
...最愛の妻と一人子を追い継ぎに亡くしたのであったが...
夢野久作 「木魂」
...本日又最愛の甥一郎が変死した噂が同地方に伝わっていたのを耳にしたために一層錯乱昂奮してこの始末に及んだものであろうと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...最愛の妻子をこの大ばくちに賭(か)けたのであり...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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