...嘗(かつ)て困苦を共にして来た最愛の良人(おっと)の不慮の死であったに違いありません...
石原純 「キュリー夫人」
...最愛のお軽にといえども...
上村松園 「軽女」
...余の位置は可憐の婦女子がその頼みに頼みし良人(おっと)に貞操(みさお)を立てんがため頻(しき)りに良人を頌揚(ほめあげ)たるのちある差少の誤解よりこの最愛の良人に離縁されし時のごとく...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...最愛の妹に死別して涙も止めあえぬ川手妙子(たえこ)さんの可憐な姿であった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...年若き最愛の妻オイリディーツェを失いぬ...
高木敏雄 「比較神話学」
...フィジー人は其(その)最愛の妻すら...
太宰治 「雌に就いて」
...奥御殿に火を放って先ず最愛の夫人を刺し殺し...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...『メーリオネース、モロスの子、最愛の者、脚早き汝何故亂戰と苦鬪を捨てゝこゝに來し? 250疵を負ひしや? 鋭き矢或は汝惱ますや?或はとある使命帶びわれを訪ふべく來りしや?我は陣舍に留るを好まず出でて戰はむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...わが最愛の薄倖なる娘を...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...張金吾は不幸にも其翌年最愛の妻を失つた...
内藤湖南 「藏書家の話」
...最愛の若い妻に譲(ゆず)るのに何んの不思議もありません...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...最愛の子供に死に別れた母親でも...
平林初之輔 「秘密」
...遂(つい)に最愛の者を奪い...
福田英子 「妾の半生涯」
...わたくしが黙っていることで最愛のメアリが一生惨めになっては...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...千年もごいっしょにいたく思召(おぼしめ)した最愛の夫人も死に奪われておしまいにならねばならなかったことがお気の毒である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...最愛の夫人に死別せしを悲しみ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...本日又最愛の甥一郎が変死した噂が同地方に伝わっていたのを耳にしたために一層錯乱昂奮してこの始末に及んだものであろうと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...彼の最愛の妻と、最愛の子も、かつて、陸閑岸のほとりで、同じような運命に漂い、敵兵の手にかかって、惨殺された...
吉川英治 「平の将門」
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