...「最後には」ではない...
芥川龍之介 「誘惑」
...最後にはきっと倉地の姿が現われ出た...
有島武郎 「或る女」
...最後には冗談(じょうだん)ばかりを言いました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...最後には生家の方からどうにかしてくれるものといふ依頼心が無意識に潜んでゐたのでありませう...
石川三四郎 「浪」
...彼の為にさんざん責(せめ)さいなまれ、最後には、焼殺(やきころ)されようとさえした畑柳倭文子は、危く難をのがれて、元の無事平穏な生活に帰った...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...彼を動かしたのではなかったか? 最後には彼自身に巡りめぐってくる運命の図を...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...最後にはきれいな別々の層に収まってしまうのである...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...入れ歯と言ってもはじめは下の前歯と右の犬歯だけはまだ残っていたのが長い間にはだんだんにそれもいけなくなり最後には犬歯一本を残した総入れ歯になってしまった...
寺田寅彦 「自由画稿」
...最後には、山海經・世本・三蒼・漢官・水經・竹書等、普通の歴史ではなく、變つたことを書いたものを擧げた...
内藤湖南 「支那目録學」
...それより外国と貿易をすれば、無用の物が殖(ふ)えて、有用の物を取られてしまうという心配の愚なことを解釈し、日本国中の学者先生がたいがい残らず海防策というものを書いて、頭から外国人を盗人に見てかかるの陋(ろう)を笑い、最後には、「されば地図でこそ日本は、世界の三百分の一つばかりに見る影もなき小国のやう思はるれども、その実は全世界を三十にわりてその一分を押領(おうりやう)するほどの人数を持てる国なり、まして産物は沢山、食物は勿論……」と土地は小なれども人口の大なることに自信を持たせて、盛んにヨーロッパ文明を取入れることを主張している論旨は闊大(かつだい)にして、精神は親切に、文章は例の痒(かゆ)いところへ手の届くようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして、それにつづいてずっとこの好意の行為が重なっていき、最後には、なるほどひどい結末ではありますが、私がおびきよせられ、そして私を追っ払うぞとおどしているわけですね」「あなたの考えかたにはある真実な点があります」と、村長がいった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...そして私の資本を最後には私が総ての財産を思い通りに動かせるような領域で運用すると言うのよ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...そして結局最後には捕まる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...最後にはすべてうまく行く予感がする...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...最後には納得するだろうぜ」コプリがフォスタを一瞥(いちべつ)して...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...最後には必ず溜息が伴はれるではないか?私はふと...
水野仙子 「嘘をつく日」
...そうして最後には(チ)命名法または新語造成法というべきものがあるのである...
柳田國男 「地名の研究」
...彼女等はボーシュレーを参謀にしてドーブレクとルパンとに対する闘争の準備として、両方に例の羽目板細工を施し、侏儒(こびと)を使って、ルパンの秘密を捜らしていたが、夫人も最後には、ボーシュレーの悪辣を嫌って愛児ジャックを使ったとのことであった...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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