...最後には死というその冷たい水の表面に消えてしまおうとしているのだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...最後には彼等は万能の機関によつて逐(お)ひのけられて了ふだけの事であつた...
エマ・ゴオルドマン 伊藤野枝訳 「死んだ魂」
...話し合った最後には付加えたという...
犬田卯 「一老人」
...最後には顔が野球のボール位にまでなった...
海野十三 「最小人間の怪」
...最後には二人の意志の疎通ができて大笑いとなったが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そして最後には、終日、読書と思索とで根を疲らし切ってしまうことだ...
大杉栄 「続獄中記」
...最後には到頭学校を辞めて了った...
高村光太郎 「回想録」
...最後には哀切かつ回顧的な口調でしか彼女のことを語れなくなっていた...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...そして最後には両者の区別のつかない一線につき当る...
豊島与志雄 「好人物」
...最後には、山海經・世本・三蒼・漢官・水經・竹書等、普通の歴史ではなく、變つたことを書いたものを擧げた...
内藤湖南 「支那目録學」
...君江のような女は最後にはきっとそういう目に遇(あ)うだろう……...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...最後には、書割りの家があって、亭主が酔っぱらって帰ってくるとお神さんが二階から水をぶっかけるという喜劇をやるのだ...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...又最後には今日(こんにち)の如くアンニュイの結果として来る事もあるが...
夏目漱石 「それから」
...幸運が最後には目的に到達させてくれることを期待している...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...最後には劇毒ある蟾蜍(ひき)の一種と変った...
南方熊楠 「十二支考」
...最後には捨てられたということを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...最後には熟して・つねにかわらない・力に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...最後には何か情けのある処置を執るのだろうと思っていたのに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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