...僅かに昼夜を弁ずるのみなれば詮方(せんかた)なくて机を退け筆を投げ捨てて嘆息の余りに「ながらふるかひこそなけれ見えずなりし書巻川(ふみまきがは)に猶わたる世は」と詠じたという一節がある...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...下を硝子戸の本棚にして金字の書巻のギッシリ詰まった押入を背にして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「妙吉祥平等観門大教主経」等の書巻を膝の上にもって...
直木三十五 「南国太平記」
...興動けば直(ただち)に車を狭斜(きょうしゃ)の地に駆(か)るけれど家には唯蘭(らん)と鶯(うぐいす)と書巻とを置くばかり...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...余この頃曾て愛読せし和洋書巻の批評をものせむとの心あり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...その書巻の間から探し出した亡霊の主の名前を...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうなるとおれも、生きのいいやつを、塗りのあざやかな吸物椀でグイグイ引っかけたくなったよ、と神尾主膳が一応、書巻を伏せて、咽喉をグイグイと鳴らしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それらの書巻に対する著名作家の関心を喚起しようとしたところ...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...第4図 六足の馬それから、同書巻十一に、津軽辺で三歳の駒、左の耳に長(たけ)一寸九分くらいの角生え、曲り、黒く堅し、ただし本の方は和らかくして、また右の方にも生え立ちし角見え申し候と見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...一冊の書巻として保存していた...
室生犀星 「芥川の原稿」
...誰も絶待に手から書巻を放たぬ事とは解せぬのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...(一書巻を開き、翻訳の支度す...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...本書巻末年表一五八八年の項および『モンテーニュを語る』一六四頁参照...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...本書巻末の年表参照...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...嘗に至ってはいわば書巻の知識であった...
柳田国男 「海上の道」
...汝をおいてほかにこれを授けたいと思う者はいない」手ずから自著の書巻を積んでことごとく姜維に授け...
吉川英治 「三国志」
...書巻の気があることであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...以前の自分には多少あった書巻(しょかん)の智識を...
吉川英治 「人間山水図巻」
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