...最も直接に云へばそれは先生が百八十八囘まで書きかけた「明暗」である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...義雄は自分が東京出發前後に書きかけた小説――面白くないので...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...博士(はくし)は書きかけの書類(しょるい)から頭をあげると...
ハーバート・ジョージ・ウエルズ 海野十三訳 「透明人間」
...書きかけの原稿を傍へ押しやった...
相馬泰三 「六月」
...其時書きかけた小説の原稿を取り出して讀んで見る...
高濱虚子 「俳諧師」
...「随筆には虚構は、許されないのであって、」と書きかけて、あわてて破る...
太宰治 「作家の像」
...一語書きかけては破り...
太宰治 「二十世紀旗手」
...とっても面白い小説を書きかけているので...
太宰治 「「晩年」に就いて」
...そして書きかけの記録がよほど気にかかるかして...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...人のゐない宿屋の一室に置き捨てられた鏡台の曳出(ひきだ)しからは無名の音楽者の書きかけた麗しい未成(みせい)の楽譜のきれはしが発見せられはしまいか...
永井荷風 「海洋の旅」
...書きかけていた筆をさしおいて...
中里介山 「大菩薩峠」
...神尾主膳はその心持で手紙を書きかけたところへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...三沢は膝(ひざ)の上で何か書きかけた白い紙をくちゃくちゃにした...
夏目漱石 「行人」
...打合せの手紙の書きかけが丸めて入れてあつて...
長谷川時雨 「傘」
...彼は正三が手紙を書きかけている机の傍(かたわら)に坐り込むと...
原民喜 「壊滅の序曲」
...書きかけた手紙を初めから讀み返した...
正宗白鳥 「母と子」
...おまけにその書きかけの文章が不愉快で不愉快で...
夢野久作 「スランプ」
...鳴門のあたりを雑に書きかけてある海図だった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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