...曩(さき)の高踏派と今の象徴派とに属する者その大部を占む...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...且曩(さき)に無々君が圓朝氏の技を賛する過言に非るを知る...
宇田川文海 「松の操美人の生埋」
...「突然」1・16(夕)大蔵大臣勝田主計(しようだかずへ)氏が曩(さき)に大臣に親任されて...
薄田泣菫 「茶話」
...是れ曩(さき)に驚絶駭絶の経験と言ひたるものにして...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...予が曩(さき)に「我が我ならぬ我となりたり」といひ...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...余は否(いや)でも曩昔(むかし)の非(ひ)を認(みと)めずには居られぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...曩きに憲政黨内閣の時代に於て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曩きに憲政党内閣の時代に於て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曩のことを思ひ出して尋ねて見たところが先生のことは知つて居つて...
長塚節 「竹の里人〔一〕」
...曩にもいふ通り先生に逢つて見たいといふ念慮は一日や二日ではなく絶えず腦髓を刺戟して居たのであるから...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...小林君の話によると、曩の日の先生は、写真に凝り、鉄砲に熱中し、一時は鍍金にまで手を出して、いろいろ研究をされたことがあるそうである...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...儂(のう)は曩日(さき)に述べし如く...
福田英子 「妾の半生涯」
...冒頭に「アアしくじったり誤りたり取餅桶(とりもちおけ)に陥(おちい)りたり今日(こんにち)はもはや曩日(さき)の富井(とみい)にあらず妹(まい)は一死以て君(きみ)に謝せずんばあらず今日の悲境は筆紙の能(よ)く尽す処にあらずただただ二階の一隅に推(お)しこめられて日々なす事もなく恋しき東の空を眺(なが)め悲哀に胸を焦(こが)すのみ余は記する能(あた)わず幸いに諒(りょう)せよ」とあり...
福田英子 「妾の半生涯」
...妾らここに見るあり曩日(さき)に女子工芸学校を創立して妙齢の女子を貧窶(ひんる)の中(うち)に救い...
福田英子 「妾の半生涯」
...「曩(さき)の勞働者の唄ね...
三島霜川 「虚弱」
...曩に岩波書店が一円本として出版した『漱石全集』中に無断で入れたので...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...視之乃曩所留者也...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしは曩(さき)に従之の名を挙げて三市さんに問うた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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