...また曩日(いつか)の様に...
石川啄木 「天鵞絨」
...曩(さき)の高踏派と今の象徴派とに属する者その大部を占む...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...曩(さき)に世に行われし牡丹灯籠...
宇田川文海 「松の操美人の生埋」
...曩(さき)は北米(ほくべい)合衆国に対して宣戦を布告し...
海野十三 「空襲葬送曲」
...三藏は曩(さき)に玄關で美しと見た尼の顏を今は軒淺く...
高濱虚子 「俳諧師」
...曩(さき)に泊雲逝き今又村家亡(な)し...
高浜虚子 「六百句」
...曩(さき)に不親切にして...
辰野九紫 「青バスの女」
...是れ曩(さき)に驚絶駭絶の経験と言ひたるものにして...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...曩には、人間的感情といい、青春といったようなものは、無条件に承認し得たのだった...
戸坂潤 「読書法」
...曩きに憲政黨内閣の時代に於て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曩に憲政黨の成立するや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曩に憲政党の成立するや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...大きいのがあれば曩に拾つた小さいのは棄てゝ濱一杯にあさつた...
長塚節 「鉛筆日抄」
...此間に逢つたのは曩の博勞唯一人のみである...
長塚節 「痍のあと」
...曩にもいふ通り先生に逢つて見たいといふ念慮は一日や二日ではなく絶えず腦髓を刺戟して居たのであるから...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...芋植うる曩の日行きて...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...小林君の話によると、曩の日の先生は、写真に凝り、鉄砲に熱中し、一時は鍍金にまで手を出して、いろいろ研究をされたことがあるそうである...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...冒頭に「アアしくじったり誤りたり取餅桶(とりもちおけ)に陥(おちい)りたり今日(こんにち)はもはや曩日(さき)の富井(とみい)にあらず妹(まい)は一死以て君(きみ)に謝せずんばあらず今日の悲境は筆紙の能(よ)く尽す処にあらずただただ二階の一隅に推(お)しこめられて日々なす事もなく恋しき東の空を眺(なが)め悲哀に胸を焦(こが)すのみ余は記する能(あた)わず幸いに諒(りょう)せよ」とあり...
福田英子 「妾の半生涯」
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