...曩(さき)にはその心に初戀の充(きざ)したるため...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...また曩日(いつか)の樣に...
石川啄木 「天鵞絨」
...曩(さき)に行方不明になった松ヶ谷学士や...
海野十三 「国際殺人団の崩壊」
...曩(さき)に泊雲逝き今又村家亡(な)し...
高浜虚子 「六百句」
...曩(さき)に児島高徳楠木正成僧日蓮の事蹟を云々し頃日(けいじつ)また武蔵坊弁慶を称して後人の仮託に出づとなし公会において之を演じたり...
津田左右吉 「史論の流行」
...予が曩(さき)に「我が我ならぬ我となりたり」といひ...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...曩には、人間的感情といい、青春といったようなものは、無条件に承認し得たのだった...
戸坂潤 「読書法」
...曩日(なうじつ)一外人ありて帝都に生きたるを携へ来り...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...曩に開國五十年紀念會を開くや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曩きに閣下が第十三議会に臨むや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...小林君の話によると、曩の日の先生は、写真に凝り、鉄砲に熱中し、一時は鍍金にまで手を出して、いろいろ研究をされたことがあるそうである...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...曩(さ)きに奇貨(きか)とし重んじたる彼(か)の敵国の人物を目(もく)して不臣不忠(ふしんふちゅう)と唱(とな)え...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...儂(のう)は曩日(さき)に述べし如く...
福田英子 「妾の半生涯」
...曩日(さき)に政府は卑屈無気力にして...
福田英子 「妾の半生涯」
...」と私は曩(さき)に久しぶりで佐賀へ青服を着て帰つて来た友達をも頼みにしてゐた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...曩(さき)にわたくしは太田孟昌の名を蘭軒の集中に見...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...曩祖(なうそ)、名は直教(ちよくけう)と云つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此女子は曩(さき)の日わたくしに細木香以の墓ををしへてくれた人である...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
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