...曠野を歩くと、まるで自分一人の世界にいるような感覚になる...
...この地域は人口が少なく、広大な曠野が広がっている...
...曠野に立って、青々と茂る草原を見下ろした...
...曠野を旅する人にとって、水や食料は命の糧である...
...夜には曠野に生息する動物たちの鳴き声が聞こえてくる...
...八千里の曠野(あらの)の五月闇(さつきやみ)を...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...面積一万五千平方マイルのデンマークにとりましては三千平方マイルの曠野は過大の廃物であります...
内村鑑三 「デンマルク国の話」
...持って行きどころのない体が曠野(あれの)の真中に横たわっているような気がした...
徳田秋声 「新世帯」
...過去と称する漠然たる幻の立ちこめた曠野(こうや)を憂鬱(ゆううつ)にながめる人たちの頭には...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...飢え疲れた旅人の後をつける曠野(こうや)の狼のように...
中島敦 「李陵」
...茫漠たる曠野と、怪奇を極めた岩山と、ゴティクとアラビクのまざり合つた異樣な樣式の建物と、エル・グレコとゴヤとヴェラスケスの繪畫と、女・男の美しい顏と粗末な風裝と、内亂の悲慘を物語る破壞と焦土と、塹壕とトーチカと、彈丸の缺けらと鐵條網と、血痕と墳墓と、……そんなものが二重映し三重映しになつて視覺から離れなかつた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...――この不毛の曠野の単調な光景を眺めて...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...真赤な燠になつて曠野(ステッピ)ぢゆうに散らばつて落ちたものぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...それから急に思いついて「曠野(あらの)」という中世風なものがなしい物語を書いた...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...一散に白皚々の曠野に逃げ出さなければ居られなかつた...
牧野信一 「雪景色」
...まだ雪が真白にのこっている早春の曠野で...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...満目の曠野に露をきらめかせ...
吉川英治 「三国志」
...僻地(へきち)から曠野(こうや)を流浪(るろう)してきた身なので...
吉川英治 「三国志」
...毎日毎日曠野や河ばかりの果てなき旅をつづけている境遇にあったからである...
吉川英治 「三国志」
...上野(こうずけ)下野(しもつけ)両国の曠野(こうや)は...
吉川英治 「私本太平記」
...法螺(ほら)の音(ね)が曠野(こうや)をわたる...
吉川英治 「新書太閤記」
...いっそ、戦のあるまん中へ行って、本陣をたずねてゆけば、ものの分る人がいるであろう」――そこでかの女は、犬山城(いぬやまじょう)の白壁を目あてに、曠野の道を、ここまでは来たが、川原を歩いても、小舟はなし、木曾(きそ)の奔流(ほんりゅう)は、瀬や岩々に、白いしぶきを激(げき)し、いくら大胆なかの女でも、渡りも得ず、たださまよいつづけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...平安の世の坂東曠野時代...
吉川英治 「平の将門」
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