...電燈の光も曇るほど盛に煙草の煙を立ち昇らせていた...
芥川龍之介 「路上」
...急にさっと薄曇ると...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...おとうさんは涙で曇る眼鏡(めがね)を拭(ふ)きながら...
有島武郎 「僕の帽子のお話」
...目がしきりなく曇るし...
石川啄木 「雲は天才である」
...水かひば エミイル・ヴェルハアレンほらあなめきし落窪(おちくぼ)の、夢も曇るか、こもり沼(ぬ)は、腹しめすまで浸りたるまだら牡牛の水かひ場(ば)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...蒼(あを)みて曇る玻璃(はり)の戸を空(むな)しく打つて事も無し...
ステファンヌ・マラルメ Stephane Mallarme 上田敏訳 「薄紗の帳」
...眼鏡がたちまち曇るほどだ...
梅崎春生 「狂い凧」
...十月三日晴、時々曇る、私の身心のやうに...
種田山頭火 「其中日記」
...……・足もとからてふてふが魂のやうに花めうが・夜のふかうして花のいよいよ匂ふ藪蚊をころしまたころし曇る秋空・秋の雨ふるほんにほどよう炊けた御飯で十月二日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...夢は何?…………五月廿二日晴、曇る...
種田山頭火 「旅日記」
...ふと窓硝子が人の息に曇る位の軽やかな心地で...
豊島与志雄 「愚かな一日」
...心の曇ることがあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...水が濁る時は曇る...
中里介山 「大菩薩峠」
......
野口雨情 「おさんだいしよさま」
...明治中世のはやり唄には木更津曇るともお江戸は晴れろすいたお方が日にやけるというのがあった...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...例へば帰る雁(かり)田毎(たごと)の月の曇る夜に菜の花や月は東に日は西に春の夜や宵(よい)曙(あけぼの)の其中に畑打や鳥さへ鳴かぬ山陰(やまかげ)に時鳥平安城をすぢかひに蚊の声す忍冬の花散るたびに広庭の牡丹や天の一方に庵(いお)の月あるじを問へば芋掘りに狐火や髑髏(どくろ)に雨のたまる夜に常人をしてこの句法に倣(なら)はしめば必ずや失敗に終はらん...
正岡子規 「俳人蕪村」
...雨止むも依然曇る...
松濤明 「槍ガ岳」
...恋しさの慰めがたき形見にて涙に曇る玉の箱かなとお歌いあそばされた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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