...空いちめんが灰色にかき曇るころには...
有島武郎 「或る女」
...めづらしく宵寝、いろ/\の夢を見た、とき/″\眼が覚めて、孤独のおもひが澄みわたつた、身に迫つてちんちろりん、虫もさびしいのだろう!徳の力――人徳九月廿二日秋晴、何ともいへないこゝろよさ、午後は曇る...
種田山頭火 「一草庵日記」
...またしぐれだした蚤も虱もいつしよに寝ませう暮れ残る頂の枯すゝきすさまじい響の大空曇る時雨亭さんは近代人...
種田山頭火 「行乞記」
...曇ると冬を感じた...
種田山頭火 「其中日記」
...八月二十日晴、午後曇る...
種田山頭火 「其中日記」
...百舌鳥するどく酔ひざめの身ぬちをつらぬく十一月廿二日晴、時々曇る...
種田山頭火 「其中日記」
...――曇ると梅雨らしいが...
種田山頭火 「旅日記」
...時々曇る笹村の顔色を幾度も見せられた...
徳田秋声 「黴」
...覚えず涙に曇る眼(まなこ)を拭(ぬぐ)い種彦はやがて男の手紙を開くに及んで初めて深い事情を知り得た...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...曇るであろうこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...よもや、母から頼まれて、曇る胸の、われにさえ恐ろしき淵(ふち)の底に、詮索(さぐり)の錘(おもり)を投げ込むような卑劣な振舞はしまい...
夏目漱石 「虞美人草」
...穏(おだ)やかな母の顔が不安と失望で曇る時の気の毒さも予想していた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...――晴れ曇る、雨夜(あまよ)の、深い暗(やみ)の底にまたたく星影――そんなふうに、彼女の眼はなんにも、口でいわないうちに何か語りかけている...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...かき曇る天をながれてゆく龍よ……...
原民喜 「画集」
...経俊 涙で月が曇るのなら...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...坂、坂は照る照る鈴、鈴鹿は曇る、あいのあいの土山雨がふる、ヨーヨーと来るだろう...
正岡子規 「煩悶」
...本能が曇る時作物は著しく乱れてしまう...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...よくよくあのお姿を拝んで置くのですよ」十八曇るというほどでもなく晴れもしない...
山本周五郎 「菊屋敷」
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