...電燈の光も曇るほど盛に煙草の煙を立ち昇らせていた...
芥川龍之介 「路上」
...煙籠むる若干の日とを除けば空は常に怒るか曇るか泣くかである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...晴れては曇る雪時雨(ゆきしぐれ)の間に...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...おとうさんは涙で曇る眼鏡(めがね)を拭(ふ)きながら...
有島武郎 「僕の帽子のお話」
...曇ると梅雨はまだすまないと思ひ...
種田山頭火 「其中日記」
...夢は何?…………五月廿二日晴、曇る...
種田山頭火 「旅日記」
...「阪は照る/\鈴鹿は曇る...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...照ると曇るとで、雨にじめつく林の中のようすが間断なく移り変ッた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...たとえば「鉄砲の遠音(とおね)に曇る卯月(うづき)かな」というのがある...
寺田寅彦 「映画時代」
...「与作思えば照る日も曇る」の歌が...
中里介山 「大菩薩峠」
...穏(おだ)やかな母の顔が不安と失望で曇る時の気の毒さも予想していた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...曇るのを望ましく思う人でも...
新渡戸稲造 「自警録」
...経俊 涙で月が曇るのなら...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...「曇るも曇らぬも待つ間もなく――」と...
牧野信一 「酒盗人」
...味噌汁の煙に曇るランプの下で夕餉の膳に向つた時に...
水野仙子 「白い雌鷄の行方」
...鈴鹿(すゞか)は曇る...
山路愛山 「詩人論」
...曇るかと思うとカーッと照る...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...銃身が水気(すいき)で曇ると...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
便利!手書き漢字入力検索