...煙籠むる若干の日とを除けば空は常に怒るか曇るか泣くかである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...急にさっと薄曇ると...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...蒼(あを)みて曇る玻璃(はり)の戸を空(むな)しく打つて事も無し...
ステファンヌ・マラルメ Stephane Mallarme 上田敏訳 「薄紗の帳」
...……・足もとからてふてふが魂のやうに花めうが・夜のふかうして花のいよいよ匂ふ藪蚊をころしまたころし曇る秋空・秋の雨ふるほんにほどよう炊けた御飯で十月二日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...――・余盃貧閑記独楽記(老楽)一生の未完成、そして一句の完成蚊帳と火燵との間(晩秋初冬)九月十八日晴、朝夕は曇る...
種田山頭火 「其中日記」
...照ると曇るとで、雨にじめつく林の中のようすが間断なく移り変ッた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...「与作思えば照る日も曇る」の歌が...
中里介山 「大菩薩峠」
...坂も曇れば鈴鹿(すずか)も曇る...
中里介山 「大菩薩峠」
...そが蒼曇る背をのたくらし...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...例(いつも)ながらうぶ毛の末をも照すよと思ううちに――底事(なにごと)ぞ!音なくて颯(さ)と曇るは霧か...
夏目漱石 「薤露行」
...例へば帰る雁(かり)田毎(たごと)の月の曇る夜に菜の花や月は東に日は西に春の夜や宵(よい)曙(あけぼの)の其中に畑打や鳥さへ鳴かぬ山陰(やまかげ)に時鳥平安城をすぢかひに蚊の声す忍冬の花散るたびに広庭の牡丹や天の一方に庵(いお)の月あるじを問へば芋掘りに狐火や髑髏(どくろ)に雨のたまる夜に常人をしてこの句法に倣(なら)はしめば必ずや失敗に終はらん...
正岡子規 「俳人蕪村」
...坂、坂は照る照る鈴、鈴鹿は曇る、あいのあいの土山雨がふる、ヨーヨーと来るだろう...
正岡子規 「煩悶」
...雨止むも依然曇る...
松濤明 「槍ガ岳」
...曇るべき月には直(すぐ)に黒くなり...
柳田国男 「遠野物語」
...鈴鹿(すゞか)は曇る...
山路愛山 「詩人論」
......
山之口貘 「山之口貘詩集」
...間もなく彼らを取り巻く花と空との明るさはその綿々(めんめん)とした異曲のために曇るであろう...
横光利一 「花園の思想」
...時々かき曇ることはあっても...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
便利!手書き漢字入力検索