...冷たいガラスの面を白く曇らすのに気がついて...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...広重は四条(しじょう)派の山水に見るが如き濃淡を以て巧みに樹木風景を曇らす霞を描きたれど...
永井荷風 「江戸芸術論」
...いたく曇らすのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...我らが瞳を曇らするそのやうな光とは凡(おほよ)そ異(ちが)ひ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...哲学者は二十世紀の会話を評して肝胆相曇らす戦争と云った...
夏目漱石 「虞美人草」
...Kの心を曇らす不審の種とならないとは断言できません...
夏目漱石 「こころ」
...彼は今日(けふ)も此美(うつ)くしさの一部分を曇らす為(ため)に三千代を呼んだに違(ちがひ)なかつた...
夏目漱石 「それから」
...彼は今日もこの美くしさの一部分を曇らす為に三千代を呼んだに違なかった...
夏目漱石 「それから」
...遠くの方で曇らすものは...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...もっとも年寄の眉(まゆ)を曇らすのがただ情(なさけ)ないばかりでやめたとも云われない...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...人人の手から手へ反×(9)のビラを渡してゐるのか欺かれた民衆よ粧われた感激よ祝福された兵士たちの何と顔色の蒼いことか万歳の声に顔をそむけて眼鏡を曇らすおまへ白布にくるんだ銃を杖に突いてぢっと考へ込むおまへとってつけたやうな哄笑で話題を女の話に外らせようとするおまへそして恐らくは彼方の車の中で...
槇村浩 「出征」
...鶏卵は何故に銀器を曇らすか...
村井弦斎 「食道楽」
...今の問題中に玉子は何故(なにゆえ)に銀器を曇らすやという事がある...
村井弦斎 「食道楽」
...私は宴のなかばを抜けて夜の孟買の街を英国の煙管(きせる)から吐き出される煙で曇らすのだが...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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