...誰か又独自の眼光を以て「暮春」を詠じ得るの確信あらんや...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...暮春には春服既に成りと「春服」にいれようとしてた芥川のことを思ひだす...
小穴隆一 「二つの繪」
...ゆく春の書に対すれば古人あり風吹いて暮春の蝶のあわたゞし五月四日 句謡会...
高浜虚子 「五百五十句」
...暮春と貧乏との関係如何!酒を借り...
種田山頭火 「其中日記」
...都会住者は読んで麦の穂末を渡り来る暮春の薫風の如き自然の気息に接せよ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...されば始めて逢う他郷の暮春と初夏との風景は...
永井荷風 「十六、七のころ」
...明治四十三年の暮春洋画家の松山さんが銀座の裏通なる日吉町にカッフェーを創設し...
永井荷風 「申訳」
...大正五丙辰暮春稿...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...春雨や同車の君がさざめ言(ごと)筋(すじ)かひにふとん敷(しき)たり宵の春誰(た)が為(ため)の低き枕(まくら)ぞ春の暮春の夜に尊き御所(ごしょ)を守(も)る身かな注意すべきは...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...暮春の空に匂(にお)う霞(かすみ)のように...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...これも昨年の暮春...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...水銀(みずがね)いろをした暮春の夕闇をかき乱すように聞こえてくる...
正岡容 「小説 圓朝」
...庭のかなしくなつかしかった暮春の若竹で...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...浅草育ちの私にとって湊家小亀は十二階の窓々へかがやく暮春の夕日の光といっしょに...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...暮春の唄一いく日も...
正岡容 「寄席」
...四季の題目につきて動きやすき者を挙ぐれば春風ト秋風 暮春ト晩秋 五月雨ト時雨 桜ト紅葉 夕立ト時雨 夏野ト枯野 夏木立ト冬木立等数ふるに堪へざるべし...
正岡子規 「俳諧大要」
...暮春などいえる春の題を艶なる方に詠み出でたるは蕪村なり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...丙戌の暮春に終つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
便利!手書き漢字入力検索