...日の暮れ方で、気持のいい森の香や手を延して、上から下っている枝で捕えることの出来る奇妙な昆虫や、一列をなしてガラガラ進む変な馬や変な騎手たちによって、私は愉快な一時間をすごし、而もそのどの一分間をも、私は楽しんだ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...8翌日夫人は暮れ方近くまで遂々事務所へ姿を見せなかった...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...貧乏と放縦と情誼と無能との雑炊だ!暮れ方に樹明君来庵...
種田山頭火 「其中日記」
...また歩いて暮れ方...
種田山頭火 「旅日記」
...暮れ方に黎君と同道して訪問して寸時話して...
種田山頭火 「道中記」
...暮れ方からまた夕立模様となつた...
種田山頭火 「松山日記」
...そのまた翌日、むやみに探ね歩いてもしかたがない、何とか好い思案はあるまいかと一日外へ出ずに考えていたが、暮れ方になって、やっぱりあの先にいた路次の中の家主のところに行ってみるのがいいように思われるので、一日内にとじ籠(こ)もっているよりもと思って出かけていったが、一週間ほど不在(るす)といいおいていって、まだ三、四日にしかならぬのであるから、老婦人はまだ帰っていない...
近松秋江 「狂乱」
...日の暮れ方に、俥で金助町の新しい家へ帰って来ると、褞袍(どてら)を引っかけて、火鉢の傍に縮まっていた...
徳田秋声 「足迹」
...それは日の暮れ方のことであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...日の暮れ方に、坪井医学士が見舞ってくれた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...考へることもない かうして暮れ方(がた)がちかづくのだらう...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...向うはいま日の暮れ方だ」「おやおや...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...その日の暮れ方ヴィルダブレイという町から電話がかかって来た...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...いかにも晩春の暮れ方らしくホンノリと水浅黄色の薄闇がただよっている...
正岡容 「寄席」
...同じく朝生まれて日暮れ方に老死する虫の生命と比較して諦めようとするのは馬鹿馬鹿しく不自然...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...――私はその時にようやっと最前日暮れ方に見た事を思い出しまして……ナアンダ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その日の暮れ方に舟着場へ持って来た...
夢野久作 「名娼満月」
...そして日の暮れ方...
吉川英治 「新書太閤記」
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