...その日の暮れ方、税関の門がもう閉まろうという前、待ちに待ったレッド老人の声がやっと門の方から聞えた...
海野十三 「軍用鼠」
...ある日の暮れ方近くに...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
...日暮れ方にまたこちらからそこまで出かけて往ってみた...
近松秋江 「狂乱」
...賑(にぎ)やかなところばかりにいたお銀は、夜その下を通るたびに、歩を迅(はや)める癖があったが、ある日暮れ方に、笹村に逐(お)い出されるようにして、そこまで来て彷徨(ぶらぶら)していたこともあった...
徳田秋声 「黴」
...時計は日暮れ方から見えなかった...
徳田秋声 「黴」
...日の暮れ方家にもどってくるとき...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...三日目の暮れ方に...
夏目漱石 「門」
...なんといふいたましい風物だらうどこにもくびのながい花が咲いてそれがゆらゆらと動いてゐるのだ考へることもない かうして暮れ方(がた)がちかづくのだらう戀や孤獨やの一生からはりあひのない心像も消えてしまつて ほのかに幽靈のやうに見えるばかりだ...
萩原朔太郎 「青猫」
...いつも暮れ方のやうな光線が...
萩原朔太郎 「宿命」
...……この象は昨日の日暮れ方永田の馬場へ持って行って葭簀囲いにし...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...その日の暮れ方ヴィルダブレイという町から電話がかかって来た...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...暮れ方、頭の君はお言葉どおりお見えになられた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...一昨日の暮れ方、乗物町(のりものちょう)の師匠として聞えている笛の名人豊住又七(とよずみまたしち)が、用達しの帰り、自宅の近くまで差しかかった時、手拭いで顔を包んだ屈強な男が一人矢庭(やにわ)に陰から飛び出して来て、物をもいわずに又七を、それも、まるで猫の児かなんぞのように溝の中へ投げつけるが早いか、何処ともなく風のように消えてしまったというのである...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...やがてのことに日の暮れ方...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...暮れ方の薄汚れた三味線堀のふちに立ってボンヤリ水の面(おもて)を眺めていたとき...
正岡容 「寄席」
...いかにも晩春の暮れ方らしくホンノリと水浅黄色の薄闇がただよっている...
正岡容 「寄席」
...帰途についたのはもう日暮れ方であった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...日の暮れ方とにはことに大声でわめくことになっている...
柳田国男 「こども風土記」
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