...さて、酒盛がいよいよたけなわになったころ、日が暮れてきた...
海野十三 「太平洋魔城」
...乾坤に一擲くれし大夕立耳一つ恵み残され冬籠寒卵取りに出しのみ今日も暮れ農地改革の声が旺んになつて来た時分から素顔君の俳句はぱつたりと跡を絶つてしまつた...
高浜虚子 「椿子物語」
...・泣いてはなさない蝉が鳴きさわぐ・何やら鳴いて今日が暮れる・水瓜ごろりと垣の中・虫のゆききのしみじみ生きてゐる□・朝の木にのぼつてゐる七月廿三日土用らしい土用日和である...
種田山頭火 「行乞記」
...・枯枝ひらふにもう芽ぶく木の夕あかり・春の夜の街の湯の湧くところまで・つゝましく大根煮る火のよう燃える曇り日のひたきしきりに啼いて暮れる三月十二日ぬくい雨...
種田山頭火 「其中日記」
...日の暮れないうちにめでたく解散...
種田山頭火 「其中日記」
...日が暮れてから、家から出て来ることもあった...
徳田秋声 「爛」
...もう昼は暮れてしまった……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...姿が黒く見えたのは夕暮れのせいであって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日の暮れるのを待つて...
永井荷風 「来訪者」
...さすがの平次も日が暮れるのを合圖に一應神田へ引揚げる外はなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...按分比例で途方に暮れ...
二葉亭四迷 「平凡」
...妾の家族を抱へ込んで途方に暮れ...
牧野信一 「スプリングコート」
...ゼーロンはクルマに戯れる水の飛沫だけが吹雪のやうに白々と暮れようとする虚空に翻つてゐるねぐらをさして別れて行つた...
牧野信一 「沼辺より」
...元との白ら地がわしや恋ひし日暮れがたにはたゞ茫然(ぼんやり)と...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...不愉快なその日も暮れた...
水野葉舟 「香油」
...明日の日暮れごろに持って来てほしい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この歳は別に書く程の事もなくて暮れた...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...蒙古包の外観内蒙古放牧地帯の一部嫩江の一夜私達は日の暮れない間に斉斉哈爾の城内を一巡し...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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