...暫くの間に錆て了つて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...暫くそこに我慢していたまえ」博士は今出たあたりの壁をコツコツと叩いて聞かせながら...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...暫く其景色を眺めてから下りることになつた...
高濱虚子 「横山」
...暫くそこに坐っていますと...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...そして、暫くすると、ゴトッと、機械の止まるような音がした...
直木三十五 「ロボットとベッドの重量」
...暫く小首を傾(かし)げていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...竜安石のように海につかっている巌角の傍へ寄って、身をかがめると、片手には例の通り、般若の面を、しっかりと抱いたままで、右の手を、竜安石の下の蛸壺(たこつぼ)になっているようなところへ突っ込むと、暫くして、極めて巧みに掴み出したのは、六寸ほどの蛸であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...暫くの間だけはたらかせて...
中谷宇吉郎 「宇宙旅行の科学」
...諦めて暫くのあいだ別れてくれ...
細井和喜蔵 「モルモット」
...「ここで暫く遊んで行きませう...
牧野信一 「或る日の運動」
...友達にあずけて旅費をかりましたもんでございますから」暫く沈黙の後...
宮本百合子 「或る日」
...暫く立つと、有竹氏の主家(しゅうけ)戸田淡路守氏養(うじやす)の隣邸、筑前国(ちくぜんのくに)福岡の領主黒田家の当主松平筑前守治之(はるゆき)の奥で、物馴れた女中を欲しがっていると云う噂が聞えた...
森鴎外 「じいさんばあさん」
...それから膳が代って食事になり、済むと暫くして、くめが茶の点前(たてまえ)をみせた...
山本周五郎 「いさましい話」
...こんどこそやらなければならないと思う」私は暫く考えていました...
山本周五郎 「失蝶記」
...なんのためにだ」「想像がつかないかね」暫く黙って歩いた...
山本周五郎 「はたし状」
...やや暫く黙って歩き...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...暫く橋の上に立ってあちこちとその流れを――水垢の色が透くので色づいては見えるが水はよく澄んでいるのだ――見ていたがなかなかその魚のすがすがしい姿などは見えなかった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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