...Kと一緒に暫らく灰燼の中を左視右顧しつゝ悵然(ちょうぜん)として焼跡を去りかねていた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...御軍暫(しまし)疲れたり...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...それで暫く黙っていた...
小泉八雲 田部隆次訳 「生霊」
...こゝでは暫く彼の日記を信用して...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...暫くすると茶の間へ戻ってぼんやり畳に寝そべっていた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...そして、四人とも、暫く黙っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...暫くは起きられなかつた...
永井荷風 「買出し」
...なお暫くとどまって...
中里介山 「大菩薩峠」
...今暫く猶予され度い...
中島敦 「盈虚」
...蜂(はち)は暫(しばら)く穴(あな)のまはりを歩(ある)きまはつてゐたが...
南部修太郎 「畫家とセリセリス」
...二人は暫く黙つて景色に見入つて居た...
平出修 「計画」
...細君は暫らく眼を瞑っていたが...
牧逸馬 「双面獣」
...それには先ず薬種屋からサフランを買ってその一匁(もんめ)を器へ入れて上から熱湯(にえゆ)を注(つ)いで暫く浸しておきますと黄(きいろ)い汁が出ます...
村井弦斎 「食道楽」
...圭一は暫く跡を見送つて...
森林太郎 「身上話」
...菊畑のところに立って暫らく見送った...
山本周五郎 「菊屋敷」
...予想のごとく暫く意外な表情で物いいかねた様子が見えた...
横光利一 「旅愁」
...ここで暫(しばら)く絶句して...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...暫らくもぼんやりしてゐられないのだ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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