...今暫くと思いながら...
伊藤左千夫 「浜菊」
...暫くの後、私はその女を相手にして、つまらぬことをしゃべりながら酒を飲んでいた...
梅崎春生 「風宴」
...どうか暫くお待ちを願います」と云った...
田中貢太郎 「魔王物語」
...暫く唖然(あぜん)として開いた口が塞(ふさ)がらない思いであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...蝋燭の炎が彼の手の中で暫しの間揺れた...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...我国の暫く前までの学界情勢では...
戸坂潤 「範疇の発生学」
...暫くして彼女は立ち上った...
豊島与志雄 「二つの途」
...馬――暫くぼんやりしていて...
中里介山 「大菩薩峠」
...兵馬の留守の間に、お雪はよく炭を生け替えて、新しい炭火をさしこみ、灰をならしておいて、それから余った炭を、火のしの上の炭火に加えて、そうして、暫く、うっとりとわが物のように、その炬燵に手を差しこんで考え込んでいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...代助は門野の顔を見て暫(しば)らく考えていた...
夏目漱石 「それから」
...「暫らくは呆氣(あつけ)に取られて居りましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...暫(しばら)く謹慎(きんしん)を表する身の上とはなりぬ...
福田英子 「妾の半生涯」
...女房などをチョトと眼に入れ)暫く! よし...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...暫く休息してゐなくてはならない...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...支えの木が腐っていますよ」「あたまのごんぜよ」と暫くして女の声が云った...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...暫くなにも云わなかったが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...おせんの嗚咽はなお暫く続いていた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...その地方の細かい双方(そうほう)の話題が暫(しばら)く高田と梶とを捨てて賑(にぎ)やかになっていくうちに...
横光利一 「微笑」
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