...其の愉快げな風がつくづく羨しくて暫く立って眺めた時の心持...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...このごろ暫く顔を見せなかったが又どっか荒し廻ってたんじゃねえのか」巡査の跫音が遠ざかるのを待って...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...蘭堂は暫くその微粒子を指先でコロコロやっている内に...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...酒も暫らく飲まない...
種田山頭火 「其中日記」
...娘は娘で、何うしても、此処に暫くの間、かうして置いて呉れと言つて、決して父親に従つて家へ帰るとは言はなかつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...暫時は、煙管を啣えた老爺までが一緒になって、ぽかんとあきれ返っていたが、やがて三人一緒にどっと笑い出した...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...暫くすると、その二つの壁が密着し、ついで互に喰いこみました...
豊島与志雄 「古木」
...」そして言葉を切って、暫くして、呟くように云いました...
豊島与志雄 「白い朝」
...秋子は茶の間で暫く愚図ついていた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...暫く絶えてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...暫(しばら)くは天狗長兵衛作の観音様も...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...阿父と英語の会話をとり交したのは全く暫くぶりだつたが...
牧野信一 「熱海線私語」
...暫く煮ると豆腐が動き始めて浮き上らんとする時掬(すく)い揚げて皿へ盛り出すべし...
村井弦斎 「食道楽」
...そして六月七日の「暫御差留」が入府直後の処置ではなからうか...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...暫し揉合(もみあ)ひたり...
森鴎外 「うたかたの記」
...暫くすると、竹が「お代りは」と云って出て来た...
森鴎外 「独身」
...暫くなにも云わなかったが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...暫くは言うことばをすら知りません...
吉川英治 「江戸三国志」
便利!手書き漢字入力検索