...暫くは返事もしませんでした...
芥川龍之介 「杜子春」
...やゝ暫らくして雨に濡れまさる彼れは又川上の方へ向いて街道を歩き始めた...
有島武郎 「幻想」
...唇を噛(か)んで暫(しばら)く黙っていたが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...沈黙が暫くつづいた...
大島亮吉 「涸沢の岩小屋のある夜のこと」
...それから又暫くして「塀和君...
高濱虚子 「俳諧師」
...暫く代って女を世話しようといったので...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「庚娘」
...そのうえ途中で気持ちが悪くなったから暫時(しばらく)やすましてくれとこしらえごとをいって...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「田七郎」
...暫くすると茶の間へ戻ってぼんやり畳に寝そべっていた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...其働きの間は実に暫(しばらく)の間でございましたが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...おちやんが寒さうに肩をすぼめて暫くは火鉢のうへにのりかかるやうにしてるのを私は待ちどほしがつておさげの髪をひつぱつたり...
中勘助 「銀の匙」
...手にした湯銭をそのまま暫(しばら)く土間の上に突立(つった)っていたが...
永井荷風 「雪解」
...暫らく我慢して聽いて下さい」「――」「虫干は晴天三日續く...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...暫時(しばし)も猶予(ゆうよ)は出来ず...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...暫くすると雷が鳴って...
森鴎外 「あそび」
...暫く茫然(ぼうぜん)としていた...
森鴎外 「雁」
...格闘暫時――結局フラフラの半次を軽々と肩に乗せる...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...白痴のような眼で暫く覓(みつ)めていたと思うと...
山本周五郎 「お美津簪」
...彼の手紙を見た暫くは...
横光利一 「旅愁」
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