...暫くどうぞお待ち下さい」そういっているとき...
海野十三 「地獄の使者」
...暫(しばら)くで尾根の頂上に出て左の方に燧岳が聳立(しょうりつ)してはいるが...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...もう暫く放っといて貰いたいと...
豊島与志雄 「囚われ人」
...――暫くして、「不可ませんようツ!――あたしが馬鹿だつたんだから!」といふ声がして、女の啜り泣が始まる)(男、ドアの所まで行つて隣室の中をみる)男 もう仕度は出来てゐたのか...
中原中也 「夢」
...そして一先づ立ち去つて二時間ばかりで戻つてくるとまた暫く銀行にゐて一人の行員と何か話し合つてゐたと言ひます...
南部修太郎 「死の接吻」
...暫らく緊張し切つた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は急に声を掛けもならず、暫らく部屋の隅、ガラクタの蔭に控えておりましたが、やがて日向を歩いて来た仁助老人の眼が馴れて、家の様子が見え始めると、「おや、銭形の親分じゃありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それも暫らくは沙汰止(さたや)みであらう」岸井重三郎は平次と一緒に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...暫(しば)らく太鼓だけで踊つたが――」三五郎も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...立止ッて暫らく文三を疾視付(にらみつ)けていたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...暫らくして再び神戸を抜錨(ばつびょう)した諾威(ノルウェー)船ヴィクトル・カレニナ号が大洋へ乗出すと間もなく...
牧逸馬 「上海された男」
...まアもう暫く遊べ/\...
牧野信一 「父を売る子」
...暫く立って、F君は第一高等学校に聘せられたが、矢張同じ下宿にいて、そこから程近い学校に通うので、君と安国寺さんとの関係は故(もと)のままであった...
森鴎外 「二人の友」
...布川(ふかわ)という町に暫(しばら)く住んでいたが...
柳田国男 「海上の道」
...大吉暫時雪枝の名を呼んだが遂に息絶えたと知ると静かに其処に寝かし...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...キチガイが焼酎(しょうちゅう)を飲んで火事見舞に来たようなアンバイなんで……暫くして女がスクリンを上げてから気が付いてみると...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...獅子舞(ししまい)の遠囃子(とおばやし)を引っ立ててそこを逃げ出してから暫くして後(のち)――...
吉川英治 「江戸三国志」
...媒人(なこうど)夫婦はすぐ、「縁者どものうち、やむなき用事のため、遅参の者がござって、聟殿にいかいお待たせ申しあげてござるが、さらば早速、これにて、ところあらわしの式仕(つかまつ)れば、暫時、それにてお控え下されませ」と、いう...
吉川英治 「新書太閤記」
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