...暫く息を休めようとした...
芥川龍之介 「さまよえる猶太人」
...暫くは無理が利(き)いたけれども...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...河内介は彼の頭上に高貴な夫人が君臨するのを暫く待っていたけれども...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...仕方がないから記者は暫く沈黙して...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...暫くすると、閼迦桶(あかおけ)を片手に持つた母親は、その庫裡から出て来た...
田山録弥 「草みち」
...二暫く経つた後には...
田山録弥 「波の音」
...私は暫くその枕頭に坐っていたが...
豊島与志雄 「楠の話」
...暫くして順一がむずかると...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...どうか暫らくおかくまいなすって下さいまし...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから二人は龜戸まで歩いて暫く待つて汽車に乘つた...
長塚節 「記憶のまゝ」
...暫らく其処へ落着いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...暫くは何もかもがこぐらかったような切ない気分で半ば夢中に足を運んでいるきりだった...
堀辰雄 「菜穂子」
...暫(しばら)くはこの木を立てて置くことができたからの名と思う...
柳田国男 「木綿以前の事」
...……のみならず私は暫く歩いて行くうちに...
夢野久作 「怪夢」
...暫くの間無言でいたが...
夢野久作 「暗黒公使」
...引き返す者との混乱が暫くは繰り返した...
横光利一 「旅愁」
...矢代は暫く顔の入り変るごとに挨拶に困った...
横光利一 「旅愁」
...御車を南大門の正面にとめ、また、あたりの群集を遠くへ追い払って、自己の警衛軍一千余と、鳥羽までお送りしてゆく六波羅武者の弓箭(きゅうせん)千五百ほどで、そこの広前を大きく囲み、暫時、御祈願のあいだを待つことにしたのであった...
吉川英治 「私本太平記」
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