...彼女は最近暗鬱な気分が続いている...
...彼の書いた小説は暗鬱な世界観が印象的だ...
...彼が失敗したことが原因で、彼の周りは暗鬱な雰囲気が漂っている...
...彼女は暗鬱な天気が続くこの地域を嫌っている...
...この作品は暗鬱な内容だが、ラストは希望が見える...
...暗鬱な時間は流れ戻る――生活の恵んでくれるなにもかもが苦くなる...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...何か物想いに沈んでいるような暗鬱な眼を外に向けている...
高見順 「如何なる星の下に」
...ごっとん、ごっとん、のろすぎる電車にゆられながら、暗鬱でもない、荒涼でもない、孤独の極でもない、智慧(ちえ)の果でもない、狂乱でもない、阿呆感でもない、号泣(ごうきゅう)でもない、悶悶でもない、厳粛でもない、恐怖でもない、刑罰でもない、憤怒(ふんぬ)でもない、諦観でもない、秋涼でもない、平和でもない、後悔でもない、沈思でもない、打算でもない、愛でもない、救いでもない、言葉でもってそんなに派手に誇示できる感情の看板は、ひとつも持ち合せていなかった...
太宰治 「狂言の神」
...暗鬱(あんうつ)な気持であった...
太宰治 「正義と微笑」
...その表情には暗鬱な翳が消えることがなかった...
外村繁 「澪標」
...この暗鬱な一隅から僅に鉄道線路の土手一筋を越えると...
永井荷風 「日和下駄」
...これらの詩に見る宿命論的な暗鬱性は...
萩原朔太郎 「青猫」
...暗鬱なる日かな!わがこの園内に來れることは彼等の動物を見るに非ずわれは心の檻に閉ぢられたる飢餓の苦しみを忍び怒れり...
萩原朔太郎 「氷島」
...暗鬱なる思想かなわれの破れたる服を裂きすて獸類(けもの)のごとくに悲しまむ...
萩原朔太郎 「氷島」
...久し振りに逢うた友の顔はひどく暗鬱な顔つきに変つてしまつてゐた...
原民喜 「火の子供」
...かかる孤獨と暗鬱な風景の中に次第々々に生長して行つたのである...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...「點鬼簿」の暗鬱さは僕を壓しつぶす...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...暗鬱な森を息を殺してここに至った時には思わずほっとして皆々手を執り合って顔を見合わせたことを覚えている...
牧野信一 「ゼーロン」
...散らされた嵐を呼ぼうとするそして全線の中で波立つ水平をめぐる気負った清新さと共に労働の鼓動をうたう青年舵手を見たそれは没落の腐り水を洗う新ネフスキー街の掃除夫牢獄の暗鬱を吹き払うさわやかな秋の青嵐―――わたしらはこの日本一のみず/″\しさをもつ詩人に...
槇村浩 「人民詩人への戯詩」
...その度びに脊骨の中が暗鬱な痛みを覚え...
横光利一 「旅愁」
...いつとは識れず暗鬱な情緒を次第に強く感じて来ていた...
横光利一 「旅愁」
...むしろ暗鬱(あんうつ)な戦国の下に長く恟(おび)えいじけて来た民心にたいして...
吉川英治 「新書太閤記」
...その日から殆ど唖(おし)みたいに黙って暗鬱(あんうつ)になり...
吉川英治 「宮本武蔵」
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