...てっとりばやく云えば、ちょっと歩きながら挙手の礼をしているのを横から見た形であるが、それにしては手が顔と離れすぎているから、むしろ右手を高くあげて、それを自分で眺めていると云った方がよく、埃及(エジプト)の薄浮彫に似ているようでもあれば、生理学の懸図の姿勢に似ているようでもあり、その平凡な謎の如き姿勢が、妙に暗示的な、無気味な、神秘な感じをもって迫るのだった...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...彼のふるさとの先輩葛西善蔵の暗示的な述懐をはじめに書き...
太宰治 「猿面冠者」
...彼のふるさとの先輩葛西善藏の暗示的な述懷をはじめに書き...
太宰治 「猿面冠者」
...中間を歩いている子供とが途中で会合することを暗示しただけで幕をおろすという暗示的な手法をとった一方で...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...暗示的な変な性質が潜んでいるように思われるよ...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...清川の態度には暗示的なものがないとは言えなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...若林の顔に暗示的な目を注いだ...
徳田秋声 「縮図」
...手記の先の方に暗示的な一節がある...
豊島与志雄 「道化役」
...舞台に比較して素敵に長いこの橋掛ぐらゐ暗示的なものは...
野口米次郎 「能楽論」
...身内から重大なる嫌疑者が挙げられたという暗示的な記事が...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...いずれも非常に暗示的な...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...一種の暗示的な技巧を凝(こ)らして仕上げられるのでした...
夢野久作 「奥様探偵術」
...暗示的な、ゆるやかな口調で云った...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...副院長の暗示的な言葉で刺戟されると同時に...
夢野久作 「一足お先に」
...此の故清少納言の官能は新鮮なそれだけで何の暗示的な感覚的成長もしなかった...
横光利一 「新感覚論」
...宗家道誉の暗示的な言も...
吉川英治 「私本太平記」
...暗示的な描き方ではあるが...
和辻哲郎 「院展遠望」
...この暗示的な、多くを切り離して重要な一部分を示すという演り方、古い形式と束縛とを脱して美しい新形式を征服した、内より外に向かうという演り方、これがアアサア・シモンズを喜ばせた重大な点である...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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