...桃の一皿はまことに暗示的なお供物であろう...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...てっとりばやく云えば、ちょっと歩きながら挙手の礼をしているのを横から見た形であるが、それにしては手が顔と離れすぎているから、むしろ右手を高くあげて、それを自分で眺めていると云った方がよく、埃及(エジプト)の薄浮彫に似ているようでもあれば、生理学の懸図の姿勢に似ているようでもあり、その平凡な謎の如き姿勢が、妙に暗示的な、無気味な、神秘な感じをもって迫るのだった...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...彼のふるさとの先輩葛西善藏の暗示的な述懷をはじめに書き...
太宰治 「猿面冠者」
...においとか響きとか位とかおもかげとかいう東洋的な暗示的な言葉で現わされているのであるが...
寺田寅彦 「映画芸術」
...早打ちの使者の道中を見せる一連の編集でも連句的手法を借りて来ればどんなにでも暗示的なおもしろみを出すことができたであろうと想像される...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...中間を歩いている子供とが途中で会合することを暗示しただけで幕をおろすという暗示的な手法をとった一方で...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...暗示的な変な性質が潜んでいるように思われるよ...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...若林の顔に暗示的な目を注いだ...
徳田秋声 「縮図」
...暗示的なものを持っている...
野村胡堂 「楽聖物語」
...ひどく暗示的な地方的前景の世界...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...そのために却つて多くの暗示的な問題を蔵してゐる...
平林初之輔 「商品としての近代小説」
...あの婉曲な暗示的な皮肉だけでも...
正宗白鳥 「昔の西片町の人」
...一種の暗示的な技巧を凝(こ)らして仕上げられるのでした...
夢野久作 「奥様探偵術」
...暗示的な独白を述べる「灰色の人」が...
吉井勇 「青春回顧」
...盛高の暗示的なことばが...
吉川英治 「私本太平記」
...僕は暗示的な描き方を排しようとするのではない...
和辻哲郎 「院展遠望」
...暗示的な描き方ではあるが...
和辻哲郎 「院展遠望」
...この暗示的な、多くを切り離して重要な一部分を示すという演り方、古い形式と束縛とを脱して美しい新形式を征服した、内より外に向かうという演り方、これがアアサア・シモンズを喜ばせた重大な点である...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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