...てっとりばやく云えば、ちょっと歩きながら挙手の礼をしているのを横から見た形であるが、それにしては手が顔と離れすぎているから、むしろ右手を高くあげて、それを自分で眺めていると云った方がよく、埃及(エジプト)の薄浮彫に似ているようでもあれば、生理学の懸図の姿勢に似ているようでもあり、その平凡な謎の如き姿勢が、妙に暗示的な、無気味な、神秘な感じをもって迫るのだった...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...彼のふるさとの先輩葛西善蔵の暗示的な述懐をはじめに書き...
太宰治 「猿面冠者」
...若林の顔に暗示的な目を注いだ...
徳田秋声 「縮図」
...)表現的で叙述的で暗示的なあらゆる音楽...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...明らかなしかし控え目な短い暗示的な言葉で語った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その薬の成分が神を起源とすることを説明することによって薬の暗示的な影響が高められる...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...出産を促進するために種々な宗教的および暗示的な仕事があるときには...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...舞台に比較して素敵に長いこの橋掛ぐらゐ暗示的なものは...
野口米次郎 「能楽論」
...何気ないディクションのなかに暗示的なひびきがあり...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...そのために却つて多くの暗示的な問題を蔵してゐる...
平林初之輔 「商品としての近代小説」
...もしまだお讀みにならなかつたなら暗示的ないい論文ですから...
堀辰雄 「室生さんへの手紙」
...その暗示的な書きかたには...
山本周五郎 「はたし状」
...一種の暗示的な技巧を凝(こ)らして仕上げられるのでした...
夢野久作 「奥様探偵術」
...副院長の暗示的な言葉で刺戟されると同時に...
夢野久作 「一足お先に」
...此の故清少納言の官能は新鮮なそれだけで何の暗示的な感覚的成長もしなかった...
横光利一 「新感覚論」
...暗示的な独白を述べる「灰色の人」が...
吉井勇 「青春回顧」
...盛高の暗示的なことばが...
吉川英治 「私本太平記」
...暗示的な描き方ではあるが...
和辻哲郎 「院展遠望」
便利!手書き漢字入力検索