...フランス革命の際、暴徒たちが王の居室にまで乱入したが、その時、フランス国王ルイ十六世、暗愚なりと雖も、からから笑つて矢庭に暴徒のひとりから革命帽を奪ひとり、自分でそれをひよいとかぶつて、フランス万歳、と叫んだ...
太宰治 「津軽」
...ついに一策を案じて暗愚な帝を唆(そそのか)し...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...云う迄もなく牡鹿山に住む暗愚な君主―――手を拱(こまね)いて滅亡を待っているばかりの...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...自由黨の暗愚なる擧動を迎合して...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...自由党の暗愚なる挙動を迎合して...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...本官の聞き及ぶところによれば老齢暗愚なる貴下は従来の滞納金を徴収もせず...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...蒸気、電気の働(はたらき)は開闢(かいびゃく)の初(はじめ)より明に示す所なれども、人間の暗愚なる、久しく之を知らずして、漸(ようや)く近年に至り始めてその端緒を探り得たるのみ...
福澤諭吉 「人生の楽事」
...唯人間の暗愚なりしを悟るのみにして...
福澤諭吉 「人生の楽事」
...唯人間の暗愚なりしを悟るのみにして...
福澤諭吉 「人生の樂事」
...この方面の感情の内にはモンストラスなものや暗愚なものがまだまだ蠢(うごめ)いていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...別様の分別ができないほどに暗愚な心を持ったればこそできたもの...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これは暗愚な俗人共のことであるから...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...それ故にこそ、特に私が選ばれて、大将曹操から密々(みつみつ)にお旨をうけて忍んで来たわけです」「えっ、曹操から?」「きょうの合戦に、曹操第一の許を向うに廻して、あなたの目ざましい働きぶりを見られ、曹将軍には、心からあなたを惜しんで、にわかに、退け銅鑼を打たせたものです」「ああ……そうだったか」「なぜ、御身ほどな勇士が楊奉の如き、暗愚な人物を、主と仰いでおられるのか、人生は百年に足らず、汚名は千載を待つも取返しはつきませんぞ...
吉川英治 「三国志」
...いまの暗愚な劉璋(りゅうしょう)では治まらない...
吉川英治 「三国志」
...――もとより暗愚な斎藤龍興(たつおき)という国主の力ではあるまい」「美濃の三人衆といわれておる人々が...
吉川英治 「新書太閤記」
...平常から暗愚な彼でもなかったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...勝助を退けるなどという暗愚なまねは決してしない...
吉川英治 「新書太閤記」
...綱吉将軍も世間に思われているような暗愚なひとでは決してない...
吉川英治 「梅里先生行状記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??