...その人生を暗くする力を呪ふのは洵に無理もない次第である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...そこに停滞しているのはそれだけあなたの暗い過去を暗くするばかりです...
有島武郎 「或る女」
...お雪が一日に何度となく世界を暗くする...
石川啄木 「散文詩」
...其一顰(いちびん)一笑(いつせう)が家の中を明るくし又暗くする...
石川啄木 「鳥影」
...廊下の電灯がわれたのも、それだまではなくて、暗くするために、かたっぱしから電灯をねらいうちにしたのだよ...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...――暗くするとどこからともなく現われて来て私に噛(か)みつく無法な虫の襲撃を防ぐためだったが...
高見順 「如何なる星の下に」
...その闇夜をいっそう暗くすることはできなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今たゞわけも分らぬ渇きが私の血をば暗くする...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...暗いなかをなお暗くするために眼を眠(ねむ)って...
夏目漱石 「野分」
...そこをちょいと捻(ねじ)って暗くするんだと真面目(まじめ)に云いつけるので...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...平次の心持を暗くするばかりです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私たちの親としてのうれしい気持ちを暗くする...
羽仁もと子 「最も楽しい事業」
...真っ昼間に部屋の中を急に暗くすると...
平林初之輔 「秘密」
...セント・ジョンの最期を暗くすることはないだらう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...君や僕のやうに人間や萬有の死について心を暗くするやうな無用な暇潰しをしなかつたことは岩野君と同樣だつたと思はれます...
正宗白鳥 「輕井澤より」
...お節は父親のそばに分れて部屋を暗くすると二人ともが安心と疲れが一時に出て五分とたたない中に快さそうな寝息をたてて居た...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...恩愛にそむく罪はあるいは後の日のわたくしのさだめを暗くするかも存じませんが...
室生犀星 「津の国人」
...果して彼の徳の輝きを幾分なりとも暗くするであろうか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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