...上を見るとうす暗い中に夏服の後ろ姿がよろけるように右左へゆれながら上って行く...
芥川龍之介 「槍が岳に登った記」
...遥かに暗い裏階子(うらばしご)へ消える筈(はず)のが...
泉鏡花 「婦系図」
...そして、うす暗い廊下を、奥の方へと、歩きだしたのですが、まもなく、廊下は、行きどまりになってしまいました...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...薄暗い土間の奥からこんなオヤジに観察されていることは決して気持のいいものではなかった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...暗い所に置かれている方が...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...狭い暗い羽目板の蔭で...
谷崎潤一郎 「Dream Tales」
...郊外に建てられた暗い夜のステーションへ降りて行くと...
徳田秋声 「黴」
...本通りから左の或る横町の薄暗い静かな街へ入ると...
徳田秋声 「町の踊り場」
...臭(くさ)い生暖(なまあたゝか)い人込(ひとごみ)の温気(うんき)が猶更(なほさら)暗い上の方(はう)から吹き下(お)りて来る...
永井荷風 「すみだ川」
...今朝の暗いうちに馬を仕立てて...
中里介山 「大菩薩峠」
...私にもお手傳の出來ることはありませんかしら」今日もほの暗い路地の中に八五郎の歸りを迎へて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...病間を出ると、薄暗い廊下で、誰やら小手招きして居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...暗い考えが夜のように彼の心をとざして来る...
平林初之輔 「予審調書」
...こんな暗いからさ...
三好十郎 「冒した者」
...もう声が出ない)五春がきた春がきたどこに来た山にきた里にきた野にも来た(暗い中で...
三好十郎 「胎内」
...暗い中にいつまでも立ちつくしていた...
三好十郎 「肌の匂い」
...ちりめん皺(じわ)が寄って暗いもの...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...しかし暗い、どんな得物を持って、どう構えているか見当がつかない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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