...夜は薄暗い石油ランプが一つつくきりなので一人でつかっていると物すごい気もする...
石川欣一 「山を思う」
...自分は見たこともない薄暗い室の隅に寝ているのであった...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...無論、明智のいわゆる役者の一人に相違ないけれど、薄暗い部屋の中、怪奇な仏像共の前へ、真っ黒な一寸法師が、蜘蛛の様に天井から降りて来たのを見ると、ゾッとしないではいられなかった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...時刻もおあつらえむきの薄暗い夕刻――ただ...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...源家は暗いと申してゐるやうでございますが...
太宰治 「右大臣実朝」
...大概はあの暗い家屋敷の一と間に垂れ籠めて...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...暗い田舎道へ差懸(さしかゝ)つた...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...長い事暗い生活が続いてゐたが...
林芙美子 「晩菊」
...お父さんはこんな暗いところに坐っていらっしゃる...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「判決」
...薄暗い広間を通り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...うす暗い部屋からウィリアムソン警部が語りかけた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...電燈の薄暗い三等室には...
牧逸馬 「運命のSOS」
...彼は何時も薄暗い部屋に閉ぢ籠つて...
牧野信一 「好色夢」
...道は平らな広い暗い野の中についているらしい...
水野葉舟 「遠野へ」
...鉤形にまがって急にほの暗い通りに歩き近づいてくるような気がしてきた...
室生犀星 「香爐を盗む」
...その暗いところにありありと隠されてあるのが目にうかんで落ちつけなかった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...前の山は暗い茜にそまって秋のままの姿だった...
室生犀星 「童話」
...うしろ暗い自分の陰に脅(おび)えている目ではなく...
吉川英治 「宮本武蔵」
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