...ゆるく抱いて膝の上一杯の暖か味と重味に満足すると...
伊藤野枝 「惑ひ」
...例えば四季折々の年中行事を必ず行なって家庭的な暖か味を添え...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...其言葉のうちには何の暖か味も無い...
高濱虚子 「俳諧師」
...人の世を橋にて隔て門を鎖ぢて隔てた此深雪の中の寂光院には人の世の暖か味は先の鐡瓶の湯の外には何物も無い...
高濱虚子 「俳諧師」
...どういふ譯だか今宵は一種の暖か味を覺える...
高濱虚子 「俳諧師」
...寂しい中に暖か味(み)があって...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...部屋の暖か味でベルナアルさんの髪や衣の裾についていた氷柱がすこしずつ溶けて床の上に滴を垂しはじめる...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...丁度その様に河原の石も暖か味を失ひ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...卒業式の日に一人一人が花束を貰ふなどいふ暖か味は晶子さんでなければ持ち合せなかつたことではないか...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...力づけるやうな火の暖か味を感じた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...自然の持つ愛の暖か味はない...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...私は好く悪口の心意(つもり)で「照ちやんの鼻は暖か味があふれてゐるよ...
牧野信一 「或る日の運動」
...そのからだのいじらしい暖か味を自分の脚に感ずると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...暖か味が出て来たのを感じられる...
水野葉舟 「帰途」
...一番安心してそこに寝てゐられる一種の深い暖か味の様なものを...
三好十郎 「「地熱」について」
...信州などではこのなかば概念のような暖か味ほとぼりを...
柳田国男 「雪国の春」
...室中の暖か味が少しも身体に感じなくなった...
夢野久作 「あやかしの鼓」
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