...それに、おだやかで、暖かくて、まるで、すばらしい夏の日のようです...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「年とったカシワの木のさいごの夢」
...暖いにつけ、寒いにつけ、杖(つえ)柱とも思う同伴(つれ)の若いものに別れると、六十の迷児(まいご)になって、もし、この辺に棚からぶら下がったような宿屋はござりませんかと、賑(にぎや)かな町の中を独りとぼとぼと尋ね飽倦(あぐ)んで、もう落胆(がっかり)しやした、と云ってな、どっかり知らぬ家(うち)の店頭(みせさき)へ腰を落込(おとしこ)んで、一服無心をした処……あすこを読むと串戯(じょうだん)ではない...
泉鏡花 「歌行燈」
...暖炉の前で煙草を一服する間もなく...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...十月の初旬病床で暖かい日に蒲団の代わりにかけようと思って旅行用の夏の膝掛けを買いにやった...
寺田寅彦 「柿の種」
...寒暖計の示度によらないで冷温を言う場合にはその人によってまるでちがった判定を下す事になる...
寺田寅彦 「物理学と感覚」
...暖炉を背にして、客たちと話しながら煙草(たばこ)をふかしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...薄汚れた暖簾のさがってる蕎麦屋がありました...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...日の光に照しつけられてゐる身の暖さは炬燵にでも入つてゐるやうで...
永井荷風 「畦道」
...此夜前日に比して又更に暖なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...淺黄(あさぎ)の暖簾に鎌輪奴(かまわぬ)と染め出した入口...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...暖簾でもわけてやらうと言ふお話もありましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...古い暖簾(のれん)を掛けて居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...重大な関心はうしろの暖炉の前で仰向けに倒れている人物だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の土壌」
...ねていた暖(あたた)かいしとねの上から...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...思いがけなく暖かい日もあった...
宮城道雄 「私の若い頃」
...しかも穏やかな微風すらない元旦は暖かいほど...
室生犀星 「津の国人」
...熱海は暖かいと思いの外...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...建物といい暖房の設けといい...
吉川英治 「随筆 新平家」
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