...晴れてはゐても、敦賀の朝は、身にしみるやうに、風が寒い...
芥川龍之介 「芋粥」
...あれはうちの灯・冴えかえる夜の酒も貰うてもどる・つまづいて徳利はこわさない枯草樹明君に・燗は焚火でふたりの夜・雪ふる其中一人として火を燃やす・雪ふるポストへ出したくない手紙仕事すまして雪をかぶつて山の家まで晴れて雪ふる里に入る・雪がつみさうな藪椿の三つ四つ一人にして(マヽ)の音澄む・のどがつまつてひとり風ふく・ふるよりつむは杉の葉の雪雪のふるかなあんまりしづかに・雪...
種田山頭火 「其中日記」
...改作追加・藪かげほのと藪蘭の花かな・いつもつながれて吠えるほかない犬です・木の芽草の芽いそがしい旅の雨ふる・からりと晴れて枯木なんぼでもひろへるよ(朝)・もう秋風の...
種田山頭火 「其中日記」
...五月廿九日曇、晴れてくる...
種田山頭火 「其中日記」
...八月六日――九日晴れてよろし...
種田山頭火 「其中日記」
...空はもう半ば晴れていたが千切(ちぎ)れ千切れの綿雲が嵐の時のように飛んでいた...
寺田寅彦 「震災日記より」
...戦犯容疑者としての嫌疑が晴れて釈放されたわしが...
富田常雄 「面」
...晴れていましたがね」七兵衛と小間物屋と話のきっかけが出来る...
中里介山 「大菩薩峠」
...晴れて斬られるならずいぶん斬られて上げる...
中里介山 「大菩薩峠」
...今は天氣が晴れて居るけれども...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...間もなく疑が晴れて...
野村胡堂 「古銭の謎」
...翌日も前日と同じく晴れてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...抜けるように晴れていたのに...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...空は晴れてゐた...
三好達治 「測量船」
...昏(く)れがたまで晴れていたのが...
山本周五郎 「契りきぬ」
...二通りに用意しておいたら如何(いかが)であろうか』『うむ――』沈黙から晴れて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...船中で酒を酌みあい、寒いが、気は晴れてきた...
吉川英治 「平の将門」
...嘘の様に靄は晴れて行った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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