...蝕の晴るると共に...
泉鏡花 「婦系図」
...・あすのあさの水くんでおくかなかな(追加)本妙寺・昇る陽を吸うてゐる南無妙法蓮華経・秋がきた朝風の土に播いてゐる・めつきり秋めいた風が法衣のほころび・何となく考へてゐる犬も私も草のうへ・夕立つや思ひつめてゐる・夕立が洗つていつた茄子をもぐ・夕立晴れたトマト畑に出て食べる・夕立晴るゝや夕焼くる草の葉・藁屋根はしづくする雑草はれ/″\八月廿三日今朝はすつかり秋だつた...
種田山頭火 「行乞記」
...朝霧晴るゝお山おりる人のぼる人・ゆつくりのぼる馬酔木まつしろつかれてうづくまるところしやがさきみだれ・ぬれていたどりのさてもさびしくなつかしく・すゝめられてこれやこのあんころ餅を一つ・切株に腰かけて遠い遠い昔・杉山しんしんしよんべんしよう・霧...
種田山頭火 「旅日記」
...午後に晴る...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...午に至つて空晴る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...雪歇み空晴る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...雨始めて晴る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...半時ばかりにして晴る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...宿雨始めて晴る...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...積雨始めて晴る...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...大雨夕刻に晴る...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...今朝氣晴るゝに及んで...
長塚節 「草津行」
...即ち倉皇戸を閉ぢて晴るを待つ...
長塚節 「草津行」
...或は遙方山の半ばを殘して晴るゝ所...
長塚節 「草津行」
...その裾野がイオニア海に滑り込んで幾つもの長汀曲浦を造っているのが瞬間ごとにより広く見晴るかせるようになって行くのが愉快だった...
野上豊一郎 「エトナ」
...几董(きとう)の俳句に「晴るゝ日や雲を貫く雪の不盡」といふがあり...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...〔『日本』明治三十一年二月二十一日〕五たび歌よみに与ふる書心あてに見し白雲は麓(ふもと)にて思はぬ空に晴るる不尽(ふじ)の嶺(ね)というは春海(はるみ)のなりしやに覚え候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...森々(しんしん)と眠っている村落を見晴るかす...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
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