...晩涼(ばんりょう)に池の萍(うきくさ)皆動く大正十三年蚊の入りし声一筋や蚊帳(かや)の中大正十三年六月風鈴(ふうりん)に大きな月のかかりけり大正十三年七月二十七日 島村元(はじめ)一周忌(昨年八月二十六日歿)追悼句会...
高浜虚子 「五百句」
...端居(はしい)して垣の外面(とのも)の世を見居る七月二十七日 「玉藻十句集(第十八回)」晩涼や謡の会も番すゝみ八月二十一日 あるじ慰問...
高浜虚子 「五百五十句」
...晩涼に乘じて古い神話の中にでもありさうな幽暗なる湯の湖の上に輕舟を操りながら...
近松秋江 「箱根の山々」
...さういふ時に耳の近くで蜩の晩涼を告ぐる銀鈴が爽かに響くと...
近松秋江 「箱根の山々」
...晩涼(ばんりょう)に草とりして居た彼は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...用事を終りて後晩涼を追ひ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...晩涼水の如し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...晩涼を追ひ銀座を歩む...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...毎日読書晩涼の来るを俟つ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...僕は晩涼を追いながら...
永井荷風 「申訳」
...「某月某日晩涼ヲ追テ杖ヲ銀座街ニ曳ク...
永井荷風 「申訳」
...私の身を裸で一晩涼ませてやるといって...
中里介山 「大菩薩峠」
...今の通りによく煮詰めて出来たスープを漉して一晩涼しい処に置くと凝汁(にこごり)になります...
村井弦斎 「食道楽」
...家庭料理の上等にすると鳥の生肉を肉挽器械で挽いて鑵詰の雁の肝を入れて先日お覚えになった白ソースへ仏蘭西松露(ふらんすしょうろ)即ちトリフと西洋茸(せいようきのこ)即ちマシルームとを細かに切って入れて鳥の肉と一緒に塩胡椒を入れて長く煮て一晩涼しい処へ置きます...
村井弦斎 「食道楽」
...夏は土手の上へ椅子を持ち出して晩涼を趁うたが...
室生犀星 「故郷を辞す」
...想ふに大連に来つて老虎灘を訪ふのは夏日の晩涼...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...ただ晩涼(ばんりょう)の風がそろそろ葛西(かさい)ヶ谷(やつ)にも冷たくなり出していたのである...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ晩涼(ばんりょう)の川風と...
吉川英治 「私本太平記」
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