...昨日の晩方以来行方不明なのです...
石川欣一 「可愛い山」
...晩方には食事の時お給仕をつとめた娘が二人来て...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...晩方など、用のない米兵が遊びに来て、小さい子供にバナナやチョコレートをやったりする...
石川欣一 「比島投降記」
...その日の晩方、暮れて行く千曲川にそって走る汽車の中で僕は四日前の晩、スキーを背負い出す僕を玄関まで送った娘のことを思い続けた...
石川欣一 「山を思う」
...さて晩方、釣り上げたばかりの岩魚の塩焼、熊の肉とキャベツの煮込み――ところで酒がない、ないとなると余計ほしくなって、その翌日は素敵な勢で立山温泉まで雪を踏んで歩いた...
石川欣一 「山を思う」
...晩方干ないかも知れません...
泉鏡花 「悪獣篇」
...晩方(ばんがた)の事だった...
泉鏡花 「縁結び」
...晩方になってもまだ八度内外はあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...晩方、Jさんが白菜二玉持つてきてくれた、見事々々...
種田山頭火 「其中日記」
...晩方になると、彼女は小野田と一緒に、そこから五六丁隔(へだた)った原っぱの方へ、近所で月賦払いで買入れた女乗の自転車を引出して行った...
徳田秋声 「あらくれ」
...うかうかした四日や五日はじきに過ぎてしまったある日の晩方...
徳田秋声 「爛」
...朝出て晩方帰るまでは...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...下宿人たちが晩方入ってきて...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...その日の晩方にはウージェーヌにとっては最早...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...そしてその日の晩方にはもう僕は海の上にいたんだ...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...去年の暮の晩方、仙太公がヒョックリ俺のところへ来て、こちらの嬢様のところまで、自分は追われていてどうしても行けねえからお前代りに使いを頼まれてくれというて用事を頼んだ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...晩方(ばんかた)に窓掛を締めてやれば...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...自分の噂だなと嬉しく思ッたが、今さら考えると、なんのそうでもなかッたのであろう、晩方から親類、縁者、叔父の朋友(ほうゆう)、大勢集まッて来たが、中には女客もあッたゆえ母を始め娘も、姉も自分もその席に連なッた...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
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