...一晩中ぽかんと眼球をむいて居る苦しみったら無えや...
有島武郎 「かんかん虫」
...夏になつたら浴衣を買つてやるから毎晩泊りに來いと云つたとか...
石川啄木 「菊池君」
...彼はその晩私の家の方向へやって来たのだった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...早晩(そうばん)これを発明(はつめい)しましょう...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...昭和十九年晩秋、三鷹(みたか)の草屋に於て目次貧の意地 (江戸) 諸国はなし、西鶴四十四歳刊行大力 (讃岐(さぬき))本朝二十不孝(ほんちょうにじゅうふこう)、四十五歳猿塚 (筑前(ちくぜん))懐硯(ふところすずり)、四十六歳人魚の海 (蝦夷(えぞ)) 武道伝来記、四十六歳破産 (美作(みまさか))日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)、四十七歳裸川 (相模(さがみ)) 武家義理物語、四十七歳義理 (摂津) 武家義理物語、四十七歳女賊 (陸前)新可笑記(しんかしょうき)、四十七歳赤い太鼓 (京) 本朝桜陰比事(おういんひじ)、四十八歳粋人 (浪花(なにわ))世間胸算用(せけんむねさんよう)、五十一歳遊興戒 (江戸) 西鶴置土産、五十二歳(歿(ぼつ))吉野山 (大和(やまと))万(よろず)の文反古(ふみほうぐ)、歿後三年刊行貧の意地むかし江戸品川、藤茶屋(ふじぢゃや)のあたり、見るかげも無き草の庵(いおり)に、原田内助というおそろしく鬚(ひげ)の濃い、眼(め)の血走った中年の大男が住んでいた...
太宰治 「新釈諸国噺」
...晩の御馳走は、蛙(かえる)の焼串(やきぐし)、小さい子供の指を詰めた蝮(まむし)の皮、天狗茸(てんぐだけ)と二十日鼠(はつかねずみ)のしめった鼻と青虫の五臓とで作ったサラダ、飲み物は、沼の女の作った青みどろのお酒と、墓穴から出来る硝酸酒とでした...
太宰治 「ろまん燈籠」
...「その明くる晩の同じ時刻には...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...そうして朝から晩まで鱒(ます)一点張りの御馳走をうけた...
寺田寅彦 「夏」
...いかに暑さの烈しい晩でも...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...行方知れずになる前の晩そんなことを言っていました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もうその晩も遲くなつてからでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その晩、定吉の歸りの遲いのを、誰が一番心配したか――といふことを、平次の智慧で、藤屋で訊いて見ると、「それや私さ、私はあの子と一番仲がよかつたんだもの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この晩の大捕物で全部片附きさうな氣がして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...昨晩あれほど燐光を放っていたのだ...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...その上私は生れつきこの様に美しい姿を持つて居りましたから――私が七つの時初めて家の露台(バルコニー)で、月夜の晩に、お月様のために、私の即興詩を歌ひましたら――たちまちそれが評判となつたのです...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...婚礼の晩に逃げ出して来たくらいです...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...それきりその晩から姿を見せませんでした...
室生犀星 「不思議な国の話」
便利!手書き漢字入力検索