...この地は暗くして晦冥(やみ)に等しく死の蔭にして区別(わかち)なし...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...まず懐疑の暗雲に閉じこめられて天地晦冥(かいめい)の間に時々光明の閃光に接し...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...目を瞑つてうつら/\とし乍ら此晦冥の天地轟々たる夜陰の響と惡戰を續けてゐるやうに感ずる...
高濱虚子 「俳諧師」
...箱根で夢みた晦冥の天地は消え失せて今はあかるい市街が目の前に現前したが...
高濱虚子 「俳諧師」
...この晦冥な天地と耳を圧する轟音の中で...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...地は定形(かたち)なく曠空(むなし)くして黒暗(やみ)淵(わだ)の面にあり神の霊水の面を覆ひたりき――創世記黒暗(やみ)の潮 今満ちて晦冥の夜(よる)ともなれば仮構の万象そが※性を失し解体の喜びに酔ひ痴れて心をのゝき渾沌の母の胸へと帰入する...
富永太郎 「夜の讃歌」
...あとはもう天地晦冥...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...ついには天地晦冥の無意識の中に陥ってゆくが...
中井正一 「脱出と回帰」
...天地晦冥(かいめい)して雷電轟(とどろ)き風雨怒(いか)る...
中里介山 「大菩薩峠」
...天地が白夜の晦冥とでもいうように...
中谷宇吉郎 「荒野の冬」
...十字架の受難に近き島と見ゆ上は黒雲海は晦冥十年の二月...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...上は黒雲海は晦冥も十割表現で之亦作者の特技の一つであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...衣川合戦の前の日に天地晦冥(かいめい)にして人の顔黄に見え...
柳田国男 「雪国の春」
...あたりを晦冥(かいめい)にしてしまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...昼ながら天地は晦冥(かいめい)となり...
吉川英治 「新書太閤記」
...ふしぎな微蛍光をおびた晦冥(かいめい)につつまれ...
吉川英治 「平の将門」
...すべてはもとの晦冥(かいめい)に帰って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...天地は灰色の晦冥(かいめい)につつまれていた...
吉川英治 「日本名婦伝」
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