...大勢の者が青黒い痩せた顔を薄陽に晒していた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...下の枝には麻だの楮(こうぞ)の皮の晒(さら)したのなどをさげて...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...今軽蔑し切った不具者の私の前に晒しているのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...雨に晒(さら)された椅子に腰かけて...
徳田秋声 「黴」
...この「晒し者」を一見すると卒倒するばかりに気色ばんだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...相対死にの死におくれの晒(さら)し場があったりした...
野村胡堂 「江戸の昔を偲ぶ」
...「出刃庖丁はどうしたんだ」「ここにあるよ」「どれ」白い晒木綿(さらしもめん)に包んだのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...紛(まぎ)れもない妹萩野の顔を晒(さら)しているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...角隠しを取って晒布(さらし)を顔に掛けてありますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「晒し物を見付けたのは夜の白々明け...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...井戸に縛られて晒(さら)し物にされ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今日一日太陽に晒(さら)されたら...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...晒サレテ 灌木ト死馬ノ間...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...「老(ヒネ)タル栗ヲ用ヰ殻ヲ連ネテ晒乾シ稍皺バミタル時臼ニ搗(ツ)キテ殻及シブ皮ヲ去レバ則チ内黄白色ニシテ堅ク味甜ク美ナリ或ハ熱湯ニ浸シ及ビ灰ニシテ軟キヲ待テ食フモ亦佳シ或ハ食フ時一二顆ヲ用テ掌ニ握リ稍温ムレバ則チ柔ク乾果ノ珍物ト為ス也以テ嘉祝ノ果ト為スハ蓋シ勝軍利(カチクリ)ノ義ニ取リ武家特ニ之レヲ重ンズ」(漢文)と書いてあるが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...道春筆を執って、何月何日何貫目、何屋誰へ、縮緬五巻、晒し五反、代幾何(いくら)、何某誰殿へ、使い誰と、一字一点毛頭まで、うの毛ほども違いなく、両手に提(さ)げる大帳を半日ばかりに書きしまい、これでも銀(かね)にならぬかと、空嘯いておわしければ、家城大いに肝を潰し、絶入(ぜつじゅ)するほど我(が)を折りけり...
南方熊楠 「失うた帳面を記憶力で書き復した人」
...風に晒(さら)され天日(てんぴ)に焼かれて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...晒布(さらし)売りの女がクスクスと笑った途端に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...新しい晒布(さらし)の肌着でひき緊(し)まっているこの体というものが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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