...左部は当時まだ東京専門学校(早稲田大学の前身)の学生であったが、すでに昨秋以来、正造の命によって大島村の小山孝八郎方に滞在して調査をすすめる一方、土地の有志と請願のことについて議を凝らしつつあった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...昨秋横尾、中山等の名義で配布されたという「鉱毒被害仲裁意見書」を懐から取り出し、冒頭の二行ばかり読みかけたと思うと「こんなものは瞞着だ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...寛は昨秋(さくあき)より不消化の為めに悩む事あり...
関寛 「関牧塲創業記事」
...昨秋頃より漸次悪化して約二カ月ばかり臥床(がしょう)せられました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...昨秋の深更まゐつたときは酔中で礼を失したことが多く済まないと心が咎めてゐたが...
種田山頭火 「松山日記」
...昨秋からは追うても捨(す)てゝも戻って来る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...昨秋新に村人の家に飼われた勇猛(ゆうもう)の白犬の為に一度噛み伏せられてピンをとられて以来...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...昨秋の麦蒔(むぎまき)に馬糞(ばふん)を基肥(もとごえ)に使った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...昨秋以来鼬の難(なん)にかゝることこゝに五たびだ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...すでに昨秋帰朝した時以来...
戸坂潤 「社会時評」
...昨秋の台風の記憶がまだ脳裏に新たな市人は...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...だが惜しいとまこと思う頃にはこれまた東京の人でない」かつて私にこの小品があり、昨秋、上梓した『随筆、寄席風俗』の中へ収めた...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...「きのふより根津の祭の残暑かな」と久保田万太郎氏に詠まれた権現祭は昨秋...
正岡容 「根津遊草」
...所謂現地報告が昨秋の流行となって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...因に同銅像は昨秋十月旧門弟一同発起となり一月着工...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...昨秋(さくしゅう)も形(かたち)ばかりはやりましたが...
吉川英治 「神州天馬侠」
...昨秋、伊勢長島城に移って、伊賀、伊勢、尾張三州で百七万石の封(ほう)を持ち、位官は従四位下右近衛中将...
吉川英治 「新書太閤記」
...もちろん、このはなしが、具体的にきまるまでには、藩老長岡佐渡の奔走や文書の交渉がかなりあって、武蔵が、昨秋以来、京の本阿弥(ほんあみ)光悦の長屋にいるということが分ってからでも、約半年もかかって、ようやく、まとまったことなのであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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