...昨朝別れたままの鳥井青年だ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...病室の戸を開ける時も昨朝と同じく萬一どうかした事が一夜の間に起きはしなかつたらうかといふ考へが閃いて少し心臟の鼓動が高まるやうに覺えた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...戸を開けて見ると文太郎は矢張り昨朝の如く一人寢臺の上に寢たまゝで室内は寂寞としてゐたが唯昨日と異る所はぱつちりと眼を覺してゐた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...事件発生後十一日の昨朝逮捕された...
種田山頭火 「一草庵日記」
...今朝の御飯はよく炊けた(昨朝の工合の悪さはどうだつた)...
種田山頭火 「行乞記」
...――君それから宅(うち)に行ってくれたかね」「昨朝(きのう)ちょっと寄って来た...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...昨朝八時多年召使ひたる老婆しん病死せし旨その家より知らせあり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...すでに昨朝八時ごろ...
久生十蘭 「魔都」
...三月四日(月曜)昨朝の飯に...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...昨朝も今朝も開いていたようですが...
松本泰 「日蔭の街」
...「昨朝勢逾猛...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...憤慨の余り縊死(いし)していることが昨朝に至って発見されたので...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...昨朝の事変の真相が何故かまだ今日になつても明白でない...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...昨朝彼の帰るとき見ていたが...
吉川英治 「三国志」
...つい昨朝のことではないか...
吉川英治 「私本太平記」
...――折角、信孝君(のぶたかぎみ)をお迎え申して、子としては、父なき御孝道を尽させ給い、臣としては先君の弔合戦(とむらいがっせん)、ここは死生も御一緒に、御旗をひとつに、昨朝来、書簡を以て再三御参会を促(うなが)しまいらせたが、何のかのと御理由のみ立てられて、いっこうお腰の上がらぬ様子...
吉川英治 「新書太閤記」
...昨朝初めてこの狂気の山脈に接近した際に目撃したような蜃気楼なのではないかとさえ半ば考えたのかもしれない...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...そして、昨朝、ついに思い切って抜け落ちた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
便利!手書き漢字入力検索