...実に一昨日(をとつひ)の秋風すずろに蒼古の市に吹き渡る穏やかな黄昏時(たそがれどき)であつた...
石川啄木 「葬列」
...昨日漬けた菜漬のうまさ...
種田山頭火 「其中日記」
...食ふや食はずで昨日今日を送り迎へてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...それがまだ昨日のように思われる...
田山花袋 「田舎教師」
...昨日落成祝をしたばかりの公民館の板壁が光っている...
永井隆 「この子を残して」
...人間まで甘く見ている」「どう致しまして」「昨日...
中里介山 「大菩薩峠」
...昨日の画かきさんが懐かしくてならぬ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...「昨夜、若旦那の久太郎が歸つて行つた時刻は?」「かれこれ亥刻(よつ)(十時)でございました」「若旦那はひどく父親を怨んで居たことだらうな」「いえ、とんでもない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その下郎の喜三太が、もとの主人の部屋へ、ノコノコ入れるわけはないし、物も言はさずに、正面から喉笛(のどぶえ)をきれる筈もないぢやないか」「成程ね」「それにあの娘が喜三太を庇(かば)つて居るところを見ると、二人は思つたより敵同士のやうな氣になつて居ないのかも知れない」「へエ?」「お前は喜三太の繩を解いてやつた上、いろ/\の事を聽出して見るが宜い」平次はこれだけの事を言ひつけて、隣りの矢並行方を訪ねて見ましたが、此處は戸が締つて、昨日から留守、この上手の下しやうもなかつたものか、諦(あきら)めた樣子で明神下へ歸つてしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――ところで昨夜二人は曲者の姿を見なかつたのか」「昨夜薄暗くなつてからですもの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「昨日の夕方、裏の生垣の外のドブを掃除して居て、漸く見付けましたよ」それは下男の太吉でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...良人は一昨日より家へとては歸られませぬ...
樋口一葉 「十三夜」
...昨夜僕に任せると言っておきながら...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「一昨年より増り候様に覚申候」と云つてある事である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...この小屋をみつけてから云おうと思っていたです」「なぜ云わなかった」「だって一昨日はただお二人を見かけただけだし...
山本周五郎 「風流太平記」
...弟は一昨日から麻疹で寝ておりますの」「しかし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「わたしは昨日まで日本語を一つも云わなかったもので...
横光利一 「旅愁」
...昨夜の死者のかばねや怪我人などもやがて運び込まれて来たらしい...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索