...鳥追の声はさらなり、武家のつゞきて町に遠所には江(こはだ)の鮨(すし)鯛(たひ)のすしとうる声今もあり、春めくもの也...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...※哥(そりうた)の春めくこと江戸人にはおもひもよらざる奇情なり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...春めくと思ひつつ執る事務多忙三月九日 「玉藻五句集(第六十一回)」好もしく低き机や雛(ひいな)の間三月十日 二百二十日会...
高浜虚子 「六百句」
...掘りつゞけてゐる泥蓮・風をあるいてきて新酒いつぱい・寺があつて墓があつて梅の花風が出てきて冬が逃げる雲の一ひら二ひら・水底しめやかな岩がある雲のふかいかげ・ちかみちは春めく林の枯枝をひらうてもどる・夜あけの葉が鳴る風がはいつてくる明日から...
種田山頭火 「其中日記」
...五十鈴川)そのながれにくちそゝぐたふとさはまつしろなる鶏の若葉のにほひも水のよろしさもぬかづく(二見ヶ浦)春波のおしよせる砂にゑがく旅人として小雪ちらつくを(津にて)・けふはこゝにきて枯葦いちめん・麦の穂のおもひでがないでもないこどもといつしよにひよろ/\つくし春の夜の近眼と老眼とこんがらがつて影は竹の葉の晴れてきさうな春めく雲でうごかない(辨天島)すうつと松並木が...
種田山頭火 「旅日記」
...(自嘲)どうにもならない生きものが夜の底に(追加)旅はいつしか春めく泡盛をあほる五月七日とう/\雨となつた...
種田山頭火 「旅日記」
...自嘲・旅も春めくもぞもぞ虱がゐるやうな・春のほこりが...
種田山頭火 「道中記」
...この長閑(のどか)な春めく光りの小天地をのぞきこんでいる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...春めく生温かさが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...春めく生温かさが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お母ああさん! お母ああさん!」艶めける靈魂艶めける靈魂そよげるやはらかい草の影から花やかに いきいきと目をさましてくる情慾燃えあがるやうにたのしくうれしくこころ春めく春の感情...
萩原朔太郎 「青猫」
...永い冬ごもりの雪国で春めくうれしさはどうでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...春めくとよけいに畳の上よりは土が恋しくなった...
吉川英治 「新書太閤記」
...春めく天地のものみな...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索