...況して吾人の悟性乃至理性に映ずる世界の姿が此種の現實を離れ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...僕の目に映ずるものは見渡す限り問題の芽...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...南は玉川(たまがわ)混々(こんこん)として清流の富峰(ふほう)の雪に映ずるあり...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...我々局外者の眼には甚だ不満足に映ずるのである...
大隈重信 「選挙人に与う」
...それと同じ意味でその一輪一輪の梅は春暖のシンボルとして人の目に映ずるのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...彼の眼に映ずる世界は一切彫刻的形象としてうけ入れられ...
高村光太郎 「ミケランジェロの彫刻写真に題す」
...ぬれたる石の朝日に映ずるいろ誠に花やかにして目さむる心地す...
太宰治 「津軽」
...生きた美人がひとり行者自身の主観に醜悪に映ずるばかりでなく...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...一層大きな人物として映ずるふしもあったのである...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...アメリカ人の目にはよほど珍しく目新しい一大発見として映ずるかもしれないが...
寺田寅彦 「映画雑感(※[#ローマ数字7、1-13-27])」
...彼の観察眼に映ずるものは何一つなかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...獨り我輩内國人の眼中に映ずるのみに止らずして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...先ず吾々の眼に映ずるものは...
豊島与志雄 「偶像に就ての雑感」
...そして彼の心に映ずる世間も次第に複雑になっていった...
豊島与志雄 「少年の死」
...流れに映ずる月影の捉え難いような焦燥と不安と魅惑とを彼は感じた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...櫻花丹楓に映ずる銀釵(ぎんさい)紅裙の美とは京都に來つて初めて覓め得べき日本固有なる感覺の美の極致である――即秀麗なる國土山川の美と民族傳來の生活との美妙神祕なる藝術的調和である...
永井荷風 「十年振」
...レンズを透して原板に映ずる物象...
長塚節 「教師」
...非常に尤もらしく映ずるであらう...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
便利!手書き漢字入力検索