...或声 誰も情事には躓き易い...
芥川龍之介 「闇中問答」
...長篇「暗夜行路」を一貫するものは実にこの感じ易い道徳的魂の苦痛である...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...對手にする人も亦自己と同じ樣に弱い、氣の變り易い、自己と自然と社會との凡てに就いて樣々の苦惱を裹んでゐる人間であることを思ふ時、少くとも對手の心持を察してこれを勞らなければならぬ丈の苦勞がある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...主観的詩人の作品が人の肺腑に触れ易いのもまたそのためである...
田山録弥 「スケツチ」
...この種類の虚偽は云わば度し易い...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...甚しく億劫がり易い...
豊島与志雄 「野に声なし」
...容易に分り易い問題ではありませぬ...
内藤湖南 「近代支那の文化生活」
...實際に行ふと間違ひ易いこともある...
内藤湖南 「支那目録學」
...そん時これを引ツ張るわけなのさと先づわかり易いやうにと話して呉れた...
長塚節 「利根川の一夜」
...罪を犯さぬつもりでゐる過ちのない傲慢な者より救はれ易いと云ふ意味が罪その物を肯定する教と見做(みな)された事も当然な事であつたが...
長與善郎 「青銅の基督」
...腹を切るのも易い事だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...名譽心について名譽心と虚榮心とほど混同され易いものはない...
三木清 「人生論ノート」
...特に今日の社会で経済的にも精神的にも防衛の少い若い女の誠に落ち入り易い悲惨事の原因までを取り除く事が出来にくいと云う事を残念に思う次第です...
宮本百合子 「「女の一生」と志賀暁子の場合」
...むしろ挫折をさそい易いマイナスの条件でもあることは常識である...
三好十郎 「恐怖の季節」
...是がとかくモラルの石に躓き易い近人の快(こゝろよ)く此作を読過することを得る所以である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...つまりその中に「解り易い」とか「面白い」とか「うまい」とか「奇抜だ」とか「眼新しい」とか言う分子が余計に含まれているからで...
夢野久作 「能ぎらい/能好き/能という名前」
...これが動物となると一層吾々人間の注意を惹き易いので...
夢野久作 「霊感!」
...しばらく人を遠ざけていただけまいか」「お易いことです」頼朝は...
吉川英治 「源頼朝」
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